ロマンチカ
□@ウサギとミサキとカメ
1ページ/6ページ
「う〜。ヤ〜バ〜い〜。マ〜ズ〜い〜。レポート忘れて来〜た〜。」
………ウサギさんに……届けてもらう?……いや…、……いやいやいや………あとで、なに言われるか。
腹痛いって早退……。無理…。
「はぁ………。」
「………あの、すみません。となりあいてますか?」
「ほぇ?あっあいてますよ。どうぞ。」
うわっ…キレイな人だな…。男っぽくない中性的なイメージ…。
イスに座って本のページをめくる優雅な仕草がウサギさんに似てる……かな…。
「どうかした?。」
不意に、こちらを見た彼と目が合ってしまった。
「えっ?あっゴメンっ。オレ、高橋美咲って言います。」
「知ってますよ。あの有名な小説家の宇佐見秋彦を足にしてるっていう…。」
……ウサギさん…やっぱり送り迎えやめようよ。
頬杖をついて静かに話し始める彼は、やっぱり、ウサギさんに似てる…。
「自己紹介が、まだだったね。僕は、亀井鶴松って言います。カメさんでいいよ。」
「……珍しい名前ですね…。」
「くすっ。よく言われるよ。インパクト強いってね。でも気に入ってる」