運命の恋
□9再会と通じる想い
2ページ/6ページ
「学生時代の私のあだ名は?」
「パッドフット」
その答えシリウスは嬉しそうにルーピンと抱擁を交わした。
「さあ、向こうでお茶にでもしよう」
シリウスはリズの肩を抱いて、リビングへと向かった。
ルーピンの登場も、シリウスに肩を抱かれたことも突然過ぎて、リズは心の整理ができずに促されるままリビングへと向かった。
リビングまで来たリズはハッとして慌ててキッチンへと向かった。
「お茶、私が淹れるね。
シリウスはコーヒー?」
「ああ、頼む」
そんな二人の様子を見てルーピンは複雑そうな顔をして、シリウスの正面に腰掛けた。
リズはルーピンの前に紅茶とお砂糖とチョコ菓子を置いて、次にシリウスのコーヒーをテーブルに置いた。
「お砂糖、いらないんだよね?」
「ああ。リズ、ありがとう」
そう言ったシリウスは優しげな笑みをリズに向けて、頬にキスを落とした。
リズはシリウスの笑顔に見惚れて、キスされたことに一瞬遅れて気がつき、顔を真っ赤に染めた。
慌てて自分の紅茶をテーブルに置いてシリウスの横に座った
リズは、シリウスの方もルーピンの方も向けずに俯いた。
そんなリズの腰を抱き寄せてシリウスは微笑んだ。
そんな様子を見兼ねたルーピンは非難の声を上げた。
「シリウス、リズから離れてもらおうか?」
「別にいいだろ?リズと私は許嫁なんだ」
「....それでも離れてくれ、シリウス」
「リーマス、お前がリズの事を本気で好きだと言うなら、私は身を引こう」
そのシリウスの言葉に言い淀むルーピンを見て、リズは悲しげに目を伏せた。
「覚悟がないなら私がもらう」
その言葉にもまだ言い淀むルーピンを見て、シリウスはため息をついた。
「リズがどうしてここにいるかわかるか?」
「それは...シリウス、君の許嫁だからじゃないのかい?
手紙にも...」
「本気で言っているのか?
許嫁だからリズが私を選んだと?」
シリウスは怒りを抑えるように言った。
「少しリズと話したらいい。
リズがどんな覚悟でいるのか聞いたら、リーマス、お前も覚悟を決められるんじゃないのか?」
そう言ってシリウスは席を立った。
不安げにシリウスを見上げるリズに、シリウスは肩をポンポンと叩いてリビングを出て行くのだった。
.