運命の恋

□8突然の来訪者
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翌日、リズはシリウスと共に施設の中を見て回った。

一つ一つ必要な物をリズは記載していった。

昼を少し過ぎた頃、一羽のフクロウがシリウス宛の手紙を運んできた。

「ダンブルドアからだな...」

シリウスは封を開けて手紙に目を通した。

リズは黙ってシリウスが手紙を読み終えるのを待った。

「不死鳥の騎士団を再結成するらしい」

シリウスはリズに言った。

「不死鳥の騎士団?」

「ああ。

ヴォルデモートに対抗するために結成された組織だ」

「ピーター・ペティグリューを逃したから?」

「ハリーがトレローニーの予言を聞いたらしい。

あいつは今頃ヴォルデモートの元にいるんだろう」

シリウスは顔を顰めた。

「そっか...復活が近いってダンブルドア先生は思ってるのね」

「私の実家を騎士団に提供して、私もそこに隠れることにする」

「...そっか」

リズは寂しそうに呟いた。

「手伝うと言ったのにすまない」

「ううん、仕方ないよ。

だってダンブルドア先生が言うんだもん、本当に必要なことなんだから」

「.....なあ、リズも騎士団に入らないか?」

寂しそうなままのリズを見て、シリウスは提案した。

「え?私?」

「多分、リーマスも呼ばれる」

そうシリウスが言えば

「....それは...動機が不純じゃない?

ダンブルドア先生、そんなことで大事な組織に私なんかを入れてくれないと思うんだけど...」

リズはそう言って暗い顔をした。

「そうじゃない。

リーマスがいるなら脱狼薬が必要だろう?」

その言葉にリズはパッと顔を上げて言った。

「私も役に立てる?」

「立つだろうな。

成績も良かったんだろ?

なら戦力にもなる」

そこで少し言葉を切って、シリウスは続けた。

「だが、施設の再開は遅れるだろうな...」

「あ...」

「研究なら出来ると思うが...他の人狼の面倒を見るのは厳しいだろうからな」

どうする?

とシリウスはリズに問いかけた。

「施設の再開は私の目標なの...

そのために頑張ってきたから。

けど...ヴォルデモートが復活したらそれどころじゃないんだよね?」

「そうだな...奴を倒すまでは、きっと」

「なら、研究を続けながら騎士団に入れてもらえるようにダンブルドア先生にお願いしてみる。

そうしたらリーマスの役に立てるし...」

「そうだな。そうすればリーマスに会える」

ニヤリと笑ったシリウスは言った。

「!シ、シリウスっ」

「本音はそっちだろ?」

「うぅ...」

リズはバツが悪そうに俯いた。

「リズ、騎士団に入ったら命がけの任務もあるかもしれない。

言い出しておいてあれだが...いいのか?」

シリウスの言葉に、リズは覚悟を決めたように頷いた。

シリウスはその晩、ダンブルドアとルーピンへ手紙を送るのだった。





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