運命の恋

□8突然の来訪者
2ページ/6ページ

「これでいいかな?」

リズはシリウスの着替えにと何着か選んだ服を見て呟いた。

それからシリウスの待つ客間へと足を向けた。

ドアをノックして入れば、シリウスは手紙を書いていたようだった。

「シリウス、着替えの洋服持ってきたよ。

良さそうなの見繕ってきたけど...気に入らなかったら言ってね。

買ってきてもいいし、まだ衣装部屋に数種類はあったから」

「悪いな」

「ううん、気にしないで。

自由に動けなくて歯がゆいでしょ?」

「まあそうだな」

少し暗い顔をするシリウスに、リズは話題を変えようとした

「シリウス、手紙を書いてたみたいだったけど」

「ああ、これは...リーマスにだ」

「え?」

「まだ好きなんだろ?」

「....うん」

「あいつがここに飛んでくるような手紙を書こうと思ってな」

シリウスの言葉にリズは首を傾げた。

「あいつもリズが好きなはずなんだ。

だから危機感を煽ろうと思ってな」

「来ないんじゃないかな...?」

「絶対に気になって来るさ」

シリウスは自信たっぷりに言い切った。


それから夕飯の支度ができたとウィンキーが呼びに来るまで、リズはシリウスの話を聞いていた。

主にあの事件当夜の話だ。

「せっかくハリーと暮らせるところだったのにね」

「そうだな...」

「でも、アズカバンにいるわけじゃないんだから、ハリーにもすぐに会えるよ。

私、協力する!」

リズの言葉にシリウスは嬉しそうに頷いた。

「あれ?だけどバックビークで逃げたって事は近くにいるの?」

「ああ、森で待ってるように言っておいてきたんだが...」

「明日、迎えに行かないとね。

餌、自分で取ってるなら森で過ごすのでもいいんだけど、困るようならあげなくちゃいけないもの」

「そうだな...賢いから大丈夫だと思うが」

シリウスがそう言うと、ドアをノックする音が響いた。

「失礼いたします。

ああ、リズ様、こちらに。」

「あ、ごめんね。

つい話し込んじゃって..」

「いえ、夕食の準備ができましたのでリビングへ」

「わかったわ。

ウィンキー、ありがとう」

そう言ってからシリウスに向き直って

「じゃあリビングへ案内するね」

そうリズは言うのだった。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ