運命の恋
□7予言の夜と別れ
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夕食を終えて談話室に戻ろうと窓の外を見ながら歩いていたリズは、ふと今日は満月だと思い出した。
「今回は試験期間だからスネイプ先生が作るって言ってたけど...」
気になったリズはスネイプの部屋に向かった。
「あれ...いない?」
ノックをして入ればスネイプの姿は無かった。
「届けに行ったのかな?」
リズはそう呟いて、ルーピンの部屋を目指した。
ルーピンの部屋に着いたリズだったが、ルーピンの姿もスネイプの姿も部屋には無かった。
「あれ...いないの?」
リズは部屋をぐるりと見回して、机の上に見慣れたゴブレットを見つけてそっと部屋に入った。
「失礼します」
机に近づいてゴブレットを覗き込めば中身が入ったままだった。
「飲んでないんだ...
あれ?これ、地図?」
机の上に広げられた地図を見てリズは呟く。
「これ...」
暴れ柳の方へと動く点にはセブルス・スネイプと表示されていた。
「私の名前はリーマスの部屋ってことは...」
リズは実際に入る場所が示されているのだろうと思った。
「じゃあリーマスも暴れ柳の先に?」
そこまで見て、隠し通路の行き先が叫びの屋敷だという事にリズは気づいて慌てた。
「シリウスがいるんじゃ...」
リズは自分も追おうと部屋を出掛けるが、机の上のゴブレットを思い出して立ち止まった。
「飲んでないなら持っていかないといけないよね...」
リズはゴブレットから薬が零れないように魔法をかけてから、ローブに無理やり詰め込んでルーピンの部屋を後にした。
けれど上手くいかないもので、大広間から寮へと戻る生徒たちがちょこちょこといて、リズは中々外に出れないでいた。
「早くしないと月が...」
リズがようやく暴れ柳の元にたどり着いた時には、ルーピンたちが外に出てきているところだった。
「リーマス!薬っ!」
リズは慌てて駆け寄ってルーピンに薬を飲ませようとするが、半分くらいのところで月が出てきてしまっていた。
「ダメっ...」
リズは自分で脱狼薬を口に含んで、変身しかけのルーピンに口付けて薬を流し込んだ。
「ゔぁ...本当に美味しくないのね...」
リズが呟くと同時に、シリウスの声が響いた。
「馬鹿、変身しろ!」
「え?」
リズの目の前には変身しきったルーピンがいて、リズはやばいと思った。
けれどすぐさま黒犬の姿になったシリウスが変身したルーピンに体当たりをしてリズはその隙にアニメーガスへと変身した。
"薬..きいてない..."
リズはハリーたちがいるのを見て焦った。
自我の残っていない人狼は危険だ。
いくらシリウスやリズが抑えても抑えきれるかどうかわからない。
そうやって躊躇しているうちにルーピンは森の奥へ、シリウスは傷付いてなおピーターを追おうとハリーの声に反応していた。
リズがシリウスについていこうとすると、シリウスがちいさく
「リーマスを頼む」
そう呟いたのだった。
リズは迷ったが、ルーピンを追いかけてアニメーガスへとのまま森へと入っていった。
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