運命の恋

□1出会いと新学期
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リズはホグワーツ特急でずっと考え込んでいた。

フレッドとジョージにリーは悪戯グッズの話で盛り上がり、そんなリズの様子には気づいていないようだった。

"ルーピン先生はどうして私の名前に反応したのかしら?"

考えられるのはやはりクロフォードという家の名前が何かしら彼の琴線に触れたということ。

"純血にいい思い出がないか、それとも両親を知っているとか?"

リズはひたすら考えたが答えが出るわけもなくため息をついた。

"いいわ、先生なら話す機会もあるわよね"

そう思い至って、リズはひとまずこの疑問を頭の片隅へと追いやった。

けれどもどうしても思考にちらつくのはリーマス・J・ルーピンの顔で、リズは頭を振った。

"なんでこんなに先生の顔が頭から離れないのかしら..."

ホグワーツに着くまでリズは二つ目の疑問に頭を悩ませることとなるのだった。

リズはホグワーツに着いて、大広間のグリフィンドールの席に座って一番に教職員用のテーブルに目を走らせた。

ルーピン先生の姿を認めて、リズは少しほっとした。

"ほっとしたって....なんで..."

リズは自分の思ったことを疑問に感じた。

ぼーっと見つめていたのに気がついたのか、ルーピン先生と突然目が合ってリズは少し焦った。

ルーピン先生も驚いたのか目を見開いたあとに僅かに微笑んだ。

自分に向けられた笑みに、リズは少しドギマギした。

曖昧に微笑みを返して、リズは視線をそらすのだった。

"なんでドキドキしてるの?これじゃあまるで...."

「まるで好きみたい...」

「何を好きなんだい?」

「えっ⁉」

突然かかった声にリズはびっくりして隣を向いた。

すると左右にフレッドとジョージがいるではないか。

「全然気がつかなかった....ごめんなさいね?」

「いいのさ、なあ兄弟」

「ああ。ところでなにが好きなのかを知りたいよな相棒」

ニヤリと笑うフレッドとジョージにリズは声に出ていたのかと顔を赤らめた。

「あー、うん。なんでもないの。」

そう誤魔化すも納得がいかないようで追求してくる二人。

「怪しいな。なあジョージ」

「まさか好きな人が出来たんじゃ...」

「えっ....そういうわけじゃ...」

「ジョージ、これは大当たりだぞ!」

リズの反応を見てフレッドが言った。

「えっ、なんで?違うってば」

「我らが女神はわかりやすい。

ジョージ、頑張らないとな!」

「ばか!フレッドなに言って...」

「だ、だから違うからね!」

顔を赤らめて慌てるリズを見て、フレッドは面白そうにジョージを見つめた。


そんな3人の様子をルーピンが見ていたなど、リズが気付く余裕はどこにもなかった。

それからすぐに、いつものようにダンブルドアの短い挨拶と、新任の先生の紹介に今学期の注意事項が言い渡されてから、テーブルには豪華な食事がズラリと並んだ。

リズは再びちらりと教職員のテーブルを見つめた。

ハグリッドが嬉しそうにしているのを目の端に捉えて、リズは微笑んだ。

そうして他の先生方とにこやかに話すルーピン先生を見た途端、リズはまた胸がドキドキするのを感じた。

"やっぱり....好きなのかな..."

そう思うとどうにも思うように食事が喉を通らず、リズはサンドイッチをナフキンに包んでから少しだけ料理をつまんで、後はデザートを少し食べただけで食事を終えることにしたのだった。

不思議そうにしていたフレッドとジョージに

「疲れちゃったみたい」

そうからかわれないうちに言い訳して、リズは合言葉を聞いてからそっと一人で大広間を後にするのだった。







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