一途な恋を黒犬と

□夏休みと新たな不安
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ホグワーツでの夏休み

シリウスとマリアは日刊預言者新聞からの質問をまとめる作業をしながらも、二人の時間を満喫していた。

「ねえ、シリウス」

「なんだ?」

「平和だね」

マリアは幸せそうに微笑みながら言った。

「そうだな」

シリウスはそう答えてから、徐にマリアの唇を奪った。

チュッとリップ音を響かせれば、マリアは頬を赤く染めた。

そんなマリアを愛おしそうに見つめながら、シリウスは言った。

「毎日が幸福すぎて怖いな」

「私も同じ事思ってた」

そう言って二人で笑った。

「でもシリウスは12年もアズカバンにいて、無実の罪で捕まってたんだもの。12年分の幸せを味わったってバチは当たらないと思うな」

「そうかもな。じゃあ思う存分…」

そう言ってマリアを押し倒したシリウスは、軽い口付けを降らしていく。

「もうっ!」

抗議の声をあげるも、止まらない口付けにマリアの身体は段々と熱を持っていく。

「や、ダメ…」

「どうして?」

シリウスは悪戯っ子のような目でマリアを見つめながら問いかけた。

「まだ昼間だし、それに質問まとめるのも終わってないでしょ?」

「マリアを抱くのに時間は関係ないし、質問書は後でもいいんじゃないか?」

全く止める気の無いシリウスに、マリアは仕方ないなぁと苦笑した。

「こんな俺じゃ嫌か?」

「そんなわけ、ないでしょ?」

そう言って微笑みあった。

二人の唇がくっつきそうになった時、窓から一羽のフクロウが飛び込んできた。

二人は顔を見合わせて、身体を起こした。

「誰からだ?」

そう言って二人でフクロウに視線を移せば、そこには白く綺麗なフクロウがいた。

「ヘドウィグ?」

マリアが呼びかけると嬉しそうに二人に近ずいてきたヘドウィグは、ホーっと鳴いて手紙をシリウスへと放った。

マリアはシリウスが手紙を読むのを待った。

「ハリーから?」

「ああ、傷が痛んだんだと書いてある」

「傷が…」

マリアはヘドウィグにベーコンをやりながら呟いた。

「あ、ハリーはやっぱりロン達とクィディッチワールドカップに行くのね」

「ああ、その後はロンの家で過ごすのか」

「良かった。あの家じゃハリーは過ごしずらいと思うし、ロンのお家なら皆んなと楽しく過ごせるものね!」

マリアは小さく溜息をついた。

「やっぱりシリウスと行きたかったな…ワールドカップ」

「また機会があるさ」

シリウスはマリアの肩を抱いて言った。

「うん、次は一緒に」

そうしてシリウスはマリアと一緒にハリーへの手紙を書き始めたのだった。




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