一途な恋を黒犬と

□14黒犬と彼女とこれから
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「シリウス、良かったね」

法廷を出てすぐにマリアはシリウスに抱きついて言った。

「ああ、これで...」

感慨深そうにシリウスも呟いた。

「ダンブルドア先生、ありがとうございました」

マリアはシリウスから離れてダンブルドアの方を向いて頭を下げた。

「なに、わしは大したことはしておらぬ。

マリアの信じ続けた一途さと愛のなせる技じゃ」

そう言ってダンブルドアは笑い、シリウスに向き直って続けた。

「シリウスよ。

無実となったわけじゃが、形式上ホグワーツで監視ということに決まったのでな、1年間はホグワーツにいてもらうことになる。

そこでじゃ。

ちょうど来年度は三大魔法学校対抗試合が開催されることになっておっての。

ホグワーツでの警備を強化したいのじゃが、その任を頼んでもよいかのう?

もちろん色々な手続きもあって忙しいじゃろうから、試合当日と合間で構わんのじゃが」

マリアはダンブルドアの言葉に目を輝かせて

「是非!」

と嬉々として答えた。

「おい、俺が答えるとこだろう?」

すかさずシリウスがマリアに抗議するも

「でも、シリウスも答えはYESでしょう?」

そう返されればシリウスは頷くのみであった。

「では頼む。

すまないが荷造りが終わり次第ホグワーツに来るようにしてもらえるかの。

部屋も用意しておこう」

「わかりました。

部屋はマリアと一緒で構わないんだが...」

「ふむ、まあ良いじゃろう。」

そう言ってダンブルドアは二人と別れてホグワーツへと戻っていくのだった。

「もう、なにも聞かないで一緒の部屋にするって言うんだもん」

そうマリアが言えば

「マリアだって一緒のほうが嬉しいだろ?」

そう言うシリウスに、今度はマリアがただ頷くことになるのだった。


「さあ行くか」

「どこに?」

「忘れたのか?」

そう言ってシリウスは呆れたようにマリアの左手を掬い薬指にキスを落とした。

「思い出したか?」

「う....うん」

マリアは恥ずかしそうに俯いてからシリウスを見上げて

「でも、お弁当食べてからにしようね?」

そう言ってランチボックスを掲げた。

「そうだな、腹も減ってるし。

マリアの作った飯を無駄にするわけにいかないからな」

シリウスはニッと笑って、そのままマリアと手を繋ぎ、お弁当を食べるのに丁度いい場所へと向かうのだった。






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