一途な恋を黒犬と

□5旧友の授業とハリーの悩み
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「ボガートに君たちが滑稽だと思う姿をとらせる必要がある。

呪文は簡単だ。

始めは杖なしで練習してみよう。
私に続いて言ってみて.......

リディクラス、ばかばかしい!」

「リディクラス、ばかばかしい」

そうマリアも生徒と一緒に唱えた。

「そう、とっても上手だ。
だけど呪文だけでは十分じゃないんだよ。

そこで、ネビル、君の登場だ」

セブルスに宣言したとおりに、リーマスはネビルを側に呼んで尋ねた。

「ネビル、君が世界一怖いものはなんだい?」

ネビルは蚊の鳴くような声で

「スネイプ先生」

と囁いた。

思わずマリアも生徒達と共に笑った。

「スネイプ先生か.....フーム.....
ネビル、君はお婆さんと暮らしているね?」

「え、はい。

僕、ばあちゃんに変身するのも嫌です」

「いや、そういう意味じゃないんだよ」

リーマスは微笑んでネビルにお婆さんの格好を尋ねた。

"なるほど、お婆さんの格好をさせるのか"

とマリアは想像して笑いそうになるのをこらえ、気をそらそうと自分の怖いものを考えた。

1番はシリウスが再びいなくなること、おそらくは倒れたシリウスが現れるのだろう。

それを一体どうやって面白くすればいいのか.....マリアは唸った。

うーん、悪戯成功って札下げて起き上がるとか?

面白いよりはホッとする感じだし怒りが沸く気がする...。

じゃあその起き上がった手にはウィーズリーの暴れバンバン花火を持たせて追いかけてもらおうか。

それなら学生時代のようで面白いかもしれない。

今ならば、もういっそ起き上がった時点でシリウスではなくピーターだったら尚いい。

あの二人を裏切ってシリウスをこんな目に合わせているピーターへの憂さ晴らしの代わりにそれくらいは許されるだろうとマリアは決めた。

と、同時に生徒達の笑い声が響いた。

どうやらネビルへの説明が終わり、全員がセブルス・スネイプがどういった姿になるか想像したのだろう。

笑い声に反応したのか、洋箪笥が激しく揺れた。

「ネビルが首尾よくやっつけたら、次にボガートは次々に君たちに向かってくるだろう。

皆、ちょっと考えてくれるかい。

何が一番怖いかって。

そしてどうやったらおかしな姿に変えられるか、想像してみて....」

そのリーマスの声に部屋が静かになった。

マリアはさっき考え終わっていたので、ハリー達は何だろうと想像した。

ロンは間違いなく蜘蛛だ。

ハーマイオニーは成績を落とすことや退学だろうか?

ハリーは....とそこまで考えたマリアはハッとした。

ヴォルデモートだったら一体どうするのだ、リーマス!

さっとハリーを見ると少し焦っているようだった。面白くする為の方法が思いつかなかったのだろうか?

そうなると尚悪い。

"リーマス、どうするのよ"

そんなマリアの焦りにも気がつかず、リーマスは皆に下がるように言っていた。






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