巻島

□GW
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-放課後-

「ハァ......」

部室で帰り支度をする中、巻島がついたため息に金城はデジャヴに襲われた。

「どうした...巻島」

「金城、聞いてくれっショ」

そう悲痛な面持ちの巻島にやはりデジャヴを感じる金城。

「また長い休みになるだろ?」

「あぁ、ゴールデンウィークだな」

「そう、それっショ!

春休みも長かったつーのに、また10日間も休みって、どういうことっショ!?」

「あ、あぁ.......」

「また篠宮と会えない日が続くって考えると憂鬱で仕方ないっショ..」

会話の内容が全く同じだ、と金城は内心で溜息をついて、巻島に問いかけた。

「なぁ、巻島。

そんなに好きなら告白したらどうなんだ?」

「なに言ってるんショ、金城。

オレの告白なんかキモいの一言で終わるに決まってるっショ?

そんなの篠宮の口から直接聞いたら、オレ、立ち直れる自信無いんだヨ」

それより金城、と巻島は続ける

「なんだ?」

「篠宮と仲良いっショ?
マネージャーお願いしてくれないか?」

「断られた」

「マジかよ...」

そう言ってうな垂れた巻島に、やはり昼間の雪乃の姿が重なって見えた金城は、内心でどうしたものかと頭を抱えるのだった。






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