巻島
□GW
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GW
「なんでなの...」
「篠宮、どうかしたのか？」
隣の席からかけられた声に雪乃は顔を向けた。
3年になりクラス替えがあったものの、また同じクラスだった金城がこちらを見ている。
「うん。
春休み、長かったでしょ？」
「...そうか？」
「長いよ！1週間でも長いの！
なのに...なのにまた休みなんだよ！」
「ああ、ゴールデンウィークか」
思い至った金城は呟いた。
「そう。今年は10連休って....長すぎるよ！」
「俺たちは部活が1日中できるから助かるんだがな」
そう言う金城に雪乃はむぅっとムクれて
「ねぇ、春休み我慢して我慢して耐えて、クラス一緒になれるかなぁなんてドキドキしてたのに、また違うクラス！
その上、新学期始まって1ヶ月経たないうちに10日間も休みで姿すら見れないなんて、こんな絶望あると思う？」
一気にまくし立てた雪乃に金城は思案しながら口を開いた
「......なぁ篠宮。
前から思っていたんだが、告白をするか自転車部のマネージャーをやればいいと思うのだが..」
「ねぇ金城。
私も前から言ってると思うんだけどね、告って振られたらどうするのよ。
あと、私をマネにしたら部活にならないかもよ」
至極真面目に言う雪乃に金城はため息を飲み込んで
「ああ.....そうだったな」
とそれだけ告げ、また頭を抱える雪乃を横目に、もう一人の人物を思い浮かべるのだった。
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