巻島

□シャッターを押して
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「金城さん。
私もインハイに連れて行っていただけませんか?」

部活が終わって、雪乃は金城に問いかけた。

「あ、連れていくっていっても、あの、自分で行くんですけど、...泊まるところとか一緒にしたくて。
自分の分のお金は払うので、一緒に予約とかしてもらえたらなって。」

「一緒にバスに乗っていくか?」

「え、いいんですか?」

「何で向かうつもりだったんだ?」

「バイクで.........向こうでもバイクでなら小回りもきくし、なんとか先回りして写真撮れるかなって、思ったんですけど...」

「わかった。バイクもバスに積んでもらおう」

女子が箱根までバイクなんて危険だとお叱りを受けてしまったが、
インハイには極力一緒にいさせてもらえることになった。

「もし可能なら、他のメンバーの写真も撮ってくれると嬉しいのだがな。
無理にとは言わん」

「撮りたいと、そう思えたら」

その言葉に頷いた金城さんは、多分予想していたのだと思う。

インハイという場での皆んなの走りが、私にシャッターを押させることを。




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