巻島
□シャッターを押して
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side巻島
最初は正直、邪魔だと思ってた。
けどオレだけを毎日見てる存在がいるっていうのは、悪くない。
そう最近思い始めてたのに
「んだよ、アレは」
そこには何やら楽しげに話している鳴子と篠宮。
「オレが走ってんの見てないじゃねぇかヨ」
なんて口走ってるオレ、どうしたんだ。
「そう落ち込むな、巻島。
今だけだろう、彼女が走ってる姿を見て無てなかったのは」
「...き、金城。
聞いてた、ショ」
どうやらオレは金城の言う通り、篠宮が見てくれていなかったことに落ち込んでいるらしい。
翌日も、なんとなくモヤモヤした気分でいれば、篠宮が今日は帰るとか言い出す。
慌てて引き止めたはいいが...。
あんだけ写真撮られんの嫌がってた手前、オレを撮ってくれなんて、
んな小っ恥ずかしいこと言えねぇし..。
と考えていれば、話し出す篠宮。
自分のせいで気疲れしてるから休んでほしくて、今日は撮らないということらしい。
「...オレの、為?」
それが意外で、つい呟いていれば、肯定するように頷いた篠宮。
やべぇ、嬉しいっショ。
オレは若干の照れを隠すように
「だ、大丈夫っショ。
もっかい走ってくる間に調子も戻る。
だから、今日も撮れよ、篠宮」
そう自然と篠宮の頭にポンと手を置いてそう言い、走り出していた。
「え、あ....はい」
と小さい肯定の返事に、オレの調子はすっかり戻通りだった。
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