巻島

□シャッターを押して
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「金城さんって、教え方が上手なんですね〜」

「そうか?」

「全くの無知だったのに大まかにでもロードについてわかりましたもん!」

そうこう話していると巻島や一年生が部室に現れた。

「うぉっ⁉ほ、本当にいるっショ...」

そう項垂れる巻島に雪乃は元気よく

「いますよー、巻島せんぱい!
よろしくお願いしますね!」

そう言った。

「ん?誰なんスか?」

と巻島の後ろから鳴子が顔を出せば、

「紹介するぜ!
コイツは2年の篠宮雪乃だ。
巻島専属カメラマンだ」

そう言ってガハハと笑う田所。

「カメラマン⁉メッチャ羨ましいっす!
巻島さん!」

そうカメラと聞いてはしゃぐ鳴子。

「巻島さん専属!
やっぱり巻島さんカッコいいです!」

と目をキラキラさせる小野田。

どうでも良さげな今泉と、

「わぁ、篠宮先輩、よろしくお願いします」

とニコニコの寒咲。

雪乃はあっという間に自転車部の面々に囲まれた。

「お疲れさまです...?」

「......?」

そう遅れてきた手嶋と青八木に、田所が同じ説明をすれば、手嶋が

「ヘぇ〜」

と面白そうに雪乃を見つめた。

「手嶋くん、何か言いたげだね?」

「いや、篠宮が人に興味持つのかと意外だっただけだよ」

その言葉に雪乃はムッと頬を膨らませた。

「手嶋、やっぱりやなやつ」

「お前ら知り合いか?」

そう田所が聞けば

「クラスが一緒なんですー」
「クラスが一緒なんですよ」

と同時の回答。

「お前ら息ぴったりじゃねぇか!
仲良くしろよ」

と面白そうに田所は言った。

田所至上主義な手嶋はもちろん、巻島に会わせてくれた田所に感謝している雪乃も、田所の言葉に出かかった言葉をグッと我慢するのだった。





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