シリウスブラック

□ホワイトクリスマス
1ページ/5ページ


「それでね、ブラック君がかっこいいんだよ」

「ねー!」

「あ、でもね、ファンクラブの子たちには過激な子もいるから気をつけないと」

「ふーん?」

「アシュレイさん、興味ないの?」

「うん、そうね」

「どうして?かっこいいのに」

「お金持ちだしね〜」

「イギリスでは純血の家って重視されてるみたいだけど...私の故郷ではそうでもないし。

そもそもそういう権力的なものの繋がりなら、故郷では十分なくらいあるから困らないし。

私、ずっとイギリスにいるわけじゃないから」

「そ、そうなんだ」

「で、でも!ブラック君かっこいいんだよ?」

「うーん...まだ会ってないと思うしなんとも言えないけど..

私ね、見た目も中身もすっごくかっこいい人知ってるからなぁ。」

と、そこで言葉を区切って、

「それにね、見た目とか家系とかそういうので友達やらなんやら決めるつもりないから。

その...ブラック君?見た目は良いみたいだけど、性格が合う人じゃないと私は論外だから」

そう女の子たちを見渡して言った。

「そ、そっかぁ。

でもきっとアシュレイさんも好きになるよ!」

「かっこいいもんね!」

「ねー!」

そう言いながらグリフィンドールならず他寮の女の子たちも去って行った。

「そんなに転入生って珍しいのかなぁ」

ルナはため息をついた。

転入早々、噂好きの女の子たちに取り囲まれて、ルナは辟易としていた。

「ああいう子達は苦手...」

ポツリと呟いてルナは初めての授業へと向かうのだった。




その様子を少し遠目から盗み聞いていたいたずら仕掛け人の4人。

ジェームズは噂の張本人のシリウスを小突いた。

「どうだい、君に興味のない女の子は珍しいんじゃないかい?」

「まぁな」

「シリウスのことだから、気になってるんじゃない?」

「あぁ、そうだよね、リーマスの言う通りさ。

かく言う僕だって興味があるよ!」

「あれ、ジェームズ、それは浮気じゃないのかい?」

「リーマス、それは違うよ

僕はリリー一筋だからね!」

「....」

「シ、シリウス?

...ど、どうかしたの?」

シリウスは無言で立ち去った。

「おや、怒らせたかな?」

「大丈夫だと思うよ、ジェームズ」

シリウスは転入生のことを考えながら、一人先に授業のある教室へと向かっていた。

"俺よりもかっこいいやつってなんだよ"

そんな事を思っていたのだが、それを聞いた人がいたら全員一致で言うだろう。

そこなのか?と。

ジェームズ達に至ってはきっと、

「君、アシュレイが好きなんだね」

と。

決してそういうわけではないのだが気になるのは事実で、シリウスは髪をくしゃっとさせて、教室の扉を開いた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ