シリウスブラック

□いつのまにか君が好き
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ルナ

そう書いて、シリウスは羽ペンを置いた。

もうダメかもしれないと思ったのだ。

返事は一通も来ない。

読んでくれていないかもしれない。

「....私は、なんて馬鹿だったんだろうな」

シリウスは一筋の涙を零した。

その時ノックの音がして、リーマスが呼ぶ声が聞こえた。

「なんだ、リーマス」

「下でティータイムにしないかい?」

「あぁ、今行く」

そう返したシリウスは、リビングへと向かった。

あんなに賑やかだと思っていたのにな、と苦笑してルナがよくいた場所につい目をやる。

リビングに降りれば、

ハリーが心配そうに見上げてきていた。

「なんでも無いんだ、ハリー」

そう言って頭を撫でると曖昧に微笑んだハリーは席に着いた。

皆んなで団欒をする中、突然玄関が開く音がして

「ブラックはいるかね」

嫌な奴の声が聞こえてきた

「いるさ、ここに」

「ならさっさと受け取ってくれ」

「何をだ?」

スネイプが後ろに隠れた人影をひょいと私の前に置いて、身を翻して帰ろうとした。

それを阻止したのは、

目の前にいたのは

会いたくて仕方のなかったルナだった。


「捕まえる相手が違うのでは無いかね?」

「でも....」

「それ以上私のマントを掴んでいると、機嫌を損ねると思うが?」

そう言ってシリウスの方を見やった。

「え?」

「知らんのかね?

ルーピンはともかく、ブラックと私は仲が悪い」

ルナはその言葉にパッと手を離すと、恐る恐るシリウスを見上げた。

けど、怒っている様子は無くて、ルナは少しホッとした。

けれどスネイプが玄関から出た瞬間、固まっていたシリウスが、ルナをギュッと抱きしめてきて
ルナは固まった。

「わぉ」

「やるねー」

「俺たちお邪魔?」

「ステキ!」

「まぁ」

「シリウスおじさん」

と口々に言い合っている、
ロンやフレッドジョージにジニー、そしてハーマイオニーにハリー。

そんなのも忘れるくらいにシリウスはルナしか見えていなかったし、
ルナは驚いて固まったままだった。

「まったくシリウス....
君の部屋へ移動したらどうだい?」

「...そうだな」

リーマスに諌められて気恥ずかしそうに言ったシリウスはルナの手をそっと握って部屋へと誘導した。







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