シリウスブラック

□いつのまにか君が好き
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「リーマス.......ルナは...」

「ミスマクゴナガルが探してくれているよ」

「そうか...」

そわそわと落ち着かないシリウスにリーマスは苦笑した。

そこへ一匹のフクロウが飛んできて、リーマスへと手紙を落とした。

「あぁ、ほら。噂をすれば、だ」

そう言って開封した手紙に目を通して、リーマスは固まった。

「なんて書いてあるんだ?」

「シリウス.........ルナは戻ってこないよ」

「は?」

「残りの休みはホグワーツで過ごすそうだ」

「............」

ガタンと立ち上がったシリウスを、リーマスはなだめた。

「落ち着きなよ、シリウス」

「落ち着いていられるわけないだろ?」

だってだ。
次の休みまで会えないということじゃ無いか。むしろもう永遠に?

ホグワーツにいる間に、私の言った通り歳の近い他のやつと恋仲になるかもしれない。


「リーマス!」

「私に言われても仕方ないことだよ。
ルナがそう言ったみたいだしね」

「........」

項垂れる友を少し可哀想に思ったリーマスは、

「ルナに手紙を書いたらどうだい?

あと、私がシリウスが反省して会いたがっていると伝えに行くから」

「わかった...そうしよう。
私には会いに行くすべがないのだからな」

落ち込んだシリウスの背中を見送って、リーマスはこっそり暖炉の火をつけた。


「おや、ルーピン、どうかなさいましたか?」

「いえ、ルナと話せますか?」

「ブラックはいないでしょうね?」

「ええ、意気消沈して部屋に向かいました」

「いいでしょう」

呼ばれたルナがひょっこりと暖炉に顔を出した。

「リーマス?」

「ルナ、戻って来る気は無いのかい?少しだけでも」

「私、信じてもらえなかったのが悔しくて、悲しくて、少し怒ってるの。

だから帰らない」

「そう、か。
シリウス以外と付き合うのかい?」

その質問に首を振るルナ

「わからないよ。
だって、シリウスの気持ちがわからないから.....」

「なら、戻ってきてお互いにもう一度話したらどうだい?」

「今は無理かな....」

「なぜだい?

シリウスは君が戻ってこないと知って落ち込んで、焦ってたよ。

反省もしている」

「そうなの...でも、帰らない」

「わかったよ、近いうちにそっちへ行くから、その時また話そう」

そう言ったリーマスにルナは頷いた。

暖炉の火が消えて、ふぅとため息をこぼすリーマス。

「参ったな...」

落ち込んだシリウスの姿を思い出して、リーマスはどうにかルナとシリウスが仲直りできるようにと考え始めるのだった。





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