シリウスブラック
□いつのまにか君が好き
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「ばか.....どうして信じてくれないの?」
ルナは母親の墓前で涙を零していた。
「ちゃんと....考えたのよ、私」
「好き、って.....言ったくせに」
「結局、子供扱い、なの?」
「歳の差なんてどうやっても縮まるわけないのに....なんであんなこというの、よぅ........」
幼い子のようにエグエグと泣きながら、ルナは悔しい気持ちを吐き出していた。
「ルナ、ミスタールーピンが心配していましたよ」
「ぅ......み、ミネルバ〜」
ルナは小さい子供のようにマクゴナガルに抱きついた。
「全く....何があったのです?」
「シリウスが...」
「ブラックが?」
「好きって言ったのに、歳近い相手の方がいい、て。
私もいっぱい考えて、好きって言ったのに。
信じてもらえないっ」
「落ち着きなさい、ルナ。
話がよくわかりませんよ。
泣き止んで一から話してごらんなさい」
「は、はい.......」
ルナはゆっくり深呼吸をして、泣きたいのを堪えてゆっくりと話し始めた。
話を聞き終えたマクゴナガルは深いため息をついて言った。
「全く何をしているのでしょうね、ブラックは....」
大事な親友の娘に手を出すなんて、と少しの怒りがわいたマクゴナガルだった。
けれど学生時代はあんなに女生徒たちにキャーキャー騒がれていたブラックが、ルナ相手に臆病になっていることに、本気なのだなという気持ちも垣間見えて、さっきのため息となったのだった。
「ルナ、あなたは大事な親友の娘です。
わたくしも、年相応の相手とお付き合いすることを勧めたいのですが...」
そう言った時のルナの表情が悲しげに歪んで、マクゴナガルは慌てて続けた。
「あなたの人生です。
あなたが真剣に悩んで出した答えなら、仕方ありませんね。
逃げずにもう一度向き合ってごらんなさい?」
「ミネルバ........ありがとう。
私、もう一回頑張ってみる」
そう笑顔で頷いたルナに安堵の表情を浮かべたミネルバだったが、次の言葉でその表情は固まった。
「でも、私、少し怒ってるの。
一生懸命考えて出した私の気持ちを信じてくれなかったんだもの」
「ルナ?」
「私も苦しいけど、しばらくシリウスとは会わないわ!
ミネルバのお家に帰ってもいい?」
「.............わかりました。
ホグワーツで過ごしましょう」
そう答えたミネルバに満面の笑みを浮かべたルナは、ありがとうと言うのだった。
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