シリウスブラック

□いつのまにか君が好き
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「いた」

小声で囁いたルナはそっと杖を取り出して呪文を唱え

「インペディメンタ 妨害せよ」

瞬間、ルナは勢いよく飛び出してシリウスに飛びついた。

飛び出したルナに気がついたものの、魔法が命中したシリウスは動きが遅れて見事にルナに捕まったのだった。

「ルナ、君は...」

呆れたようなそれでいて楽しそうな、嬉しそうでもあり切なそうな顔をするシリウスにルナは告げた。


「シリウス、貴方が好きです」


真っ直ぐに目を見つめれば、シリウスの表情は次第に驚きの色に変わった。

「ルナ、君は何を言っているのかわかっているのか?」

「もちろん」

「親子ほども年の離れたおじさんだぞ?」

「知っているわ。
私、シリウスをおじさんだなんて思ったことない」

「後悔、しないのか?

私は多分、君を一度手にしたら二度と離すことは出来ない。

私なんかではなく、同じ歳で同じ景色を見れる他の誰かがいんじゃないのか?」

「シリウスが....私を好きって言ったのは...

私を他の誰かに渡してもいい程度の好きだったの?」

「そんなわけないだろう!?
だが、私は...」

そこで口を噤んで苦い顔をするシリウスに

「なら、いい.......」

そう小さく呟いたルナは目に涙を溜めてキッとシリウスを睨んだ。

「ルナ?」

「シリウスが、私のために他の人を勧めるなら、そうする!

シリウスのばかっ」

そう言ったかと思うと素早くシリウスに呪文を唱えたルナは脱兎のごとく逃げ出した。

しかもシリウスが追えない家の外へと向かってから、姿くらましで姿を消したのだった。






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