シリウスブラック
□いつのまにか君が好き
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だいぶルナとの距離が近づいたと思うシリウスだったが、この日のシリウスは不機嫌だった。
久しぶりにリーマスが本部に顔を出したのだ。
普段なら友人の登場に嬉々とするところなのだが、リーマスが来た途端に駆け寄っていくルナの姿を見た途端にそんな気持ちは吹っ飛んでしまった。
今、ルナとリーマスは楽しそうにお茶をしている。
「シリウス、君もこっちでお茶にしないかい?」
ソファーで預言者新聞を読むふりをしていた私にリーマスが声をかけてきた。
リーマスを見やれば不敵な笑みを浮かべている。
「遠慮して...」
言いかけた私の言葉に被せるように
「シリウスはコーヒーだったね」
そう言ったリーマスの笑顔は、私に有無を言わせないつもりだろう。
ため息をついてテーブルにつけば、
「ところでシリウス、君、いつからルナが好きなんだい?」
なんてリーマスは特大の爆弾を笑顔で投下した。
「............」
「え.......?」
無言で固まる私と、びっくりして固まるルナ。
それを他所に、
「このチョコ美味しいね」
と甘ったるい紅茶を飲みながらチョコレートをつまむ笑顔のリーマス。
まるで今の言葉が無かったかのようだ。
「で、どうなんだい?
さっきから君がピリピリしていて、折角のチョコが美味しく感じなかったんだよ」
と、この仕返しの原因に行き着きシリウスは息を飲んだ。
お菓子の恨みは怖いのだ。
「リ、リーマス...」
「なんだい?シリウス?」
「す、すまない...邪魔するつもりじゃ..」
「そうだろうね。でも、結果として私のお菓子タイムを邪魔したわけだし、それ相応の罰を受けてもらわないとね」
笑顔のまま告げられた言葉にシリウスは一気に青ざめた。
「さぁ、シリウス覚悟は出来てるよね?」
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