シリウスブラック

□雷
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賑やかなグリフィンドールの談話室で、先刻から一人静かに暖炉前のソファに蹲る少女がいた。

彼女は雷鳴が聞こえるたびにビクッと震えているようだった。

時間も遅くなり、徐々に賑やかさのなくなる談話室。

ジェームズ達悪戯仕掛人の面々も部屋に戻ろうとしている中

シリウスがそっとかの少女ルナに近寄った。

「ルナ」

「シリウス...」

「雷怖いのか?」

ジェームズ達といる間からずっとルナを見ていたシリウスは問いかけた。

するとコクリと頷くルナ

「雷の何が怖いんだ?」

「お、音と、光も...」

いつ次の雷鳴が来るかとビクビクしながら答えるルナに

「じゃあ防音魔法でもかければいいんじゃないのか?」

そう当然の問いかけ。

「で、でも..音聞こえなくても光るの見えるから

なんか音聞こえないと一人みたいで余計に怖いし...」

「それで部屋に戻らないでここにいるのか」

ため息混じりにシリウスが言えば

「なんかごめんね..」

そう迷惑だと思われたと思ったのだろうルナがシリウスに謝った。

「いや、気にするな。

それより雷止むまで一緒にいてやるから」

そう言ってシリウスはルナを抱え上げて二人がけのソファに座らせた。

自身も隣に腰掛け、さらにルナを抱きしめた。

「え、シリウス?」

「これなら一人じゃないってわかんだろ」

そう言って防音魔法の呪文を唱えた。

ルナはシリウスの意図に気づいて、安心したようにシリウスの体温に体を寄せた。

そうして雷の光が見えないようにぎゅっと目を瞑ったのだった。



腕の中のルナにシリウスは

「好きだ」

そう聞こえないのに呟くのだった。






→おまけ(ジェームズ語り
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