Others内容

□フェルディナンド×ローゼマイン
4ページ/4ページ

愛の証(フェルディナンド)

あれはなんの折だったか。

ローゼマインがあちらの世界の星結びについての話をしていた事がある。

あちらの世界では、神前で誓う結婚式と、皆で祝いながら食事をする披露宴があるらしい。

ドレスは色味が全く違い、あちらでは白一色の物を纏い、ドレスとは少し違う白無垢というものもあったようだ。

ローゼマインはどうやらウェディングドレスに憧れがあるようだった。

ドレスは極力白を基調にして作るよう、ギルベタ商会に連絡しておこう。

ローゼマインも自分で希望を言うのであろうが。

そして、こちらでは魔石の交換をするが、あちらでは対になった指輪を交換し合うらしい。

これにも憧れがあるようであったか?

と、その時の様子を思い浮かべて、フェルディナンドはふむ、と一言呟いた。



星結びが迫る頃、フェルディナンドは下準備をしていた結婚指輪を完成させるべく、隠し部屋へと篭った。

「いつ渡すのがいいのだろうか」

フェルディナンドは以前、トゥーリからの髪飾りを渡した時の事を思い出して、

「星結びの翌朝にするか..」

と呟いた。


星を結び、恙無く閨事を終え、フェルディナンドは眠っているローゼマインの左薬指にそっと指輪を嵌めた。

「少し、無理をさせたか?」

優しく髪を梳きながらフェルディナンドはローゼマインを抱きかかえるようにして眠りに就いた。

翌朝、ローゼマインが目覚めたことを察知して目を開ければ、恥ずかしそうなローゼマインと目が合った。

「お、おはようございます。フェルディナンド」

「あぁ、おはよう、ローゼマイン」

たったこれだけのことで満たされる心持ちになるのだから不思議だ。

ローゼマインは指に違和感を感じたのか、左手を持ち上げて見つめて、驚きに目を見開いた。

「あ、あのっ!フェルディナンド、これ!」

「憧れだったのだろう?」

自分の薬指にも同じ輝きがある事を確認したフェルディナンドは、自身も知らぬうちに口元を緩めて微笑んでいたようだ。

それを認めてローゼマインはあわあわと頬を染めた。

ローゼマインに水を注ごうとベッドから出ようとすれば、服の裾を引く感覚。

振り返ればローゼマインが何か言いたそうに見上げていた。

「あ、あのっ、フェルディナンド。

ありがとう存じます!すごく嬉しいです」

そう告げたロゼマインのはにかんだ、心底嬉しそうな表情に

「君は・・・」

と言いかけてやめた。

「フェルディナンド?」

「いや、なんでもないのだ」

そう、大したことではない。

ただ、君が眩しいとそう思ったのだ。

私には勿体無いのではないかと。

誰か別の者に連れ去られるのではないか?

と少し不安に思ったのだが・・もう、私のものだったなと思って口に出すのをやめたのだ。

ローゼマインはそんな私を不思議そうに見つめて首を傾げている。

それすらも愛おしく、私がおいそれと触れてはいけないようなそんな気さえ起こさせる。

「フェルディナンド、大丈夫ですか?」

「あぁ、問題ない。
ローゼマイン、君が名実ともに私のものだと実感していただけだ」

そう、君が私の物だと、少し独占欲の混じった素直な気持ちを吐露すれば

「なっ・・」

と、口をパクパクさせて真っ赤になるローゼマイン。

「ず、ずるいです。フェルディナンドは」

そう詰ってくるローゼマインだが、何のことかわからぬ。

こちらが理解していないのを察したのか

「そう言う事をさらりと言ってしまわれるところがです!」

「事実や実際思っていることしか言ってないのだが?」

「またそうやって!
わ、私の心臓が持ちません」

「仕方ないであろう?可愛い君が悪い」

「か、かわっ・・」

カァっと顔を真っ赤に染めるローゼマインはやはり可愛いであろう?

「手加減してくださいませ」

あまりに必死なので、

「嫌ならば言わないように気をつけるが」

と提案をすれば今度は泣きそうな顔をする。

本当に表情豊かで、一時も君から目を離せない。

「い、いえ!違うのです!嫌なのではありません!だから、あのっ・・」

「君の望みは理解した」

ローゼマインを再び褥に押し倒し

「私の全ての女神」

そう言ってローゼマインの左手を取り、その薬指の指輪に唇を落とした。

あっ、と声を漏らしたローゼマインが愛おしく、フッと口元を緩め

「愛している」

そう自然と口をついて出ていた。

「私もです。フェルディナンドを愛しています」

そうとても幸せそうな笑顔で返ってきた返事に、私の理性は役目を果たすのを辞めたようだ。







ーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛の証(ローゼマイン)


星結びを終え、初夜も終え、いつもよりも随分と早い時間にローゼマインは目が覚めた。

目を開ければすぐ目の前にフェルディナンド。

なんだか恥ずかしい、そう思っているとフェルディナンドも目覚めたようで目が合った。

「お、おはようございます。フェルディナンド」

「あぁ、おはよう、ローゼマイン」

普段と変わらないようなフェルディナンドの様子に、少し落ち着いたローゼマインは指に違和感を感じて左手を持ち上げた。

「あ、あのっ!フェルディナンド、これ!」

「憧れだったのだろう?」

さり気なく自分の薬指を見て口元を緩めるフェルディナンドにローゼマインはあわあわと頬を染めた。

水を注ごうとベッドから出ようとするフェルディナンドの服の裾をローゼマインは慌てて引いた。

「あ、あのっ、フェルディナンド。

ありがとう存じます。すごく嬉しいです!」

そう告げれば、少し驚いた表情のフェルディナンドが、優しげな眼差しでなにかを言いかけてやめた。

「フェルディナンド?」

「いや、なんでもないのだ」

どうしたのかと、ローゼマインは首を傾げフェルディナンドを見つめた。

「フェルディナンド、大丈夫ですか?」

「あぁ、問題ない。

ローゼマイン、君が名実ともに私のものだと実感していただけだ」

「なっ・・」

突然の甘言に、口をパクパクさせて真っ赤になるローゼマイン。

「ず、ずるいです!フェルディナンドは」

フェルディナンドが、何のことだと首を傾げているので

「そう言う事をさらりと言ってしまわれるところがです!」

と勢いに任せて言えば、

「事実や実際思っていることしか言ってないのだが?」

そうさらりと言ってくる。

「またそうやって!わ、私の心臓が持ちません」

ドキドキしてどうにかなりそうと、ローゼマインが思っていれば

「仕方ないであろう?可愛い君が悪い」

そんな爆弾が投下された。

「か、かわっ・・」

カァっと顔に熱が昇り、ローゼマインは

「手加減してくださいませ」

と苦しげに伝えれば

「嫌ならば言わないように気をつけるが」

などと言うフェルディナンドに、ローゼマインは慌てて言い募る

「い、いえ!違うのです!嫌なのではありません!だから、あのっ・・」

「君の望みは理解した」

その言葉と同時にローゼマインはベッドに押し倒されていた。

「私の全ての女神」

そう言ってローゼマインの左手を取り、その薬指の指輪に唇を落とすフェルディナンド。

あっ、と声を漏らしたローゼマインに、フッとフェルディナンドは口元を緩めて

「愛している」

そう告げた。

「私もです。フェルディナンドを愛しています」

ローゼマインは幸せな気持ちそのままに目一杯の笑顔でフェルディナンドに想いを告げた。


その後、お昼近くに起こしに来た側仕え達と顔を合わせるのが気恥ずかしく、ローゼマインは手で顔を覆ったのだった。





.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ