Others内容
□フェルディナンド×ローゼマイン
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ブルーアンファが舞う時
アウブ アレキサンドリアになってから早1ヶ月がすぎた頃
「本当に羨ましいですわ。ローゼマイン様」
フェルディナンドとの朝食時の風景を思い返した側仕えたちが、本日の衣装を準備しながら口々に言い合う
「想い合っていて素敵ですわよね」
だが、ローゼマインはいつものように慌てて否定する
「ち、違うのです。
私はフェルディナンドに懸想なんてしていないですから!」
またそんなことを、という目で見てくる側仕えたち
「ではお聞きしますが...
もしもフェルディナンド様が第2夫人を娶られたらどう思われますか?」
とクラリッサが問いかけてきた
「え....?」
「どんなお気持ちになられます?」
ローゼマインは思い浮かべてみた。
自分に向いているフェルディナンドの気持ちが、他者へ動いた時のことを
「.........」
ローゼマインは首を振って想像を振り払った
「本も手に付かなそう...」
その返答に、側仕え達はいよいよローゼマインが気持ちを自覚したのを確信した
「フェルディナンドが私のそばでなく違う方のそばにいるのは...とても、嫌です」
憂の表情をするローゼマインを見て、クラリッサはハルトムートと今すぐ語りたい!と思う気持ちを抑え込みながら
「それが懸想というものではありませんか?」
と、言ってから仕事を他の文官に丸投げしてクラリッサはハルトムートの元へとそそくさと向かった
「ローゼマイン様、お気持ちをお伝えしてきたらいかがですか?」
リーゼレータがそう言えば、ローゼマインは頬を染めてコクリと頷いた
まさか恋をしていたなんて。
前世でも恋人なんていなかった自分が、まさかと思ったが、確かに想像しただけで嫉妬したのだ。
そんなのは嫌だ、と。
フェルディナンドが自分の側から離れて違う人の元へいくのは嫌だ、と。
その想像だけで胸が締め付けられたのだから、これは恋なのだろう。
家族愛だと思っていたんだけど...
まぁ実際、イケメンであるうえに見た目は好みだ。
そばにいるのは居心地が良くて、エーレンフェストとアーレンスバッハで離れて過ごした時間は、会いたかったし、よくフェルディナンドのことを考えていた気がする。
自覚のない甘言をさらりと言われれば、ドキッとすることはあった。
“あれ?冷静に考えると、普通に恋してない?”
そりゃあ側仕え達も懸想してると思うよ
ローゼマインはため息を落とした。
フェルディナンドの執務室前についてノックをする。
入るように促され、既に書類仕事をしているフェルディナンドの元へ近寄っていけば
「どうかしたのか?」
普段とは違うローゼマインの様子に首をかしげるフェルディナンド
「あの、フェルディナンド....」
なんなんだと言わんばかりに眉を寄せ、次の言葉を待っている
「....フェルディナンドが好き、です」
最後はしりすぼみになりながら告げた言葉に
「知っているが...?」
とさらりと答えるフェルディナンド
これは家族愛の方にとられているのではなかろうか?
まさか自分でもさっき気づいた想いをフェルディナンドに知られているとは思えない....いや、わからないけど。
「家族愛ではなくて、
その..えっと.....
フェルディナンドを、お、お慕いしています!」
言い切った!
とフェルディナンドの顔を見れば驚いた表情をしていた。
そして、フッと微笑んだかと思うと
「私もだ、ローゼマイン」
と甘い声で返答されて、多分、顔が赤い。
フェルディナンドはいつからこんなに甘くなったのだろうか。
視線も表情もどことなく甘い。
「あぅ....」
「ローゼマイン、君にそんな顔をしてもらえるとは思ってもみなかったが、悪くない」
かなり機嫌をよくしたフェルディナンドの甘言は止まらない。饒舌なのは珍しい。
それだけ嬉しいということだろうか?
そう考えて、また顔の熱が上がるのがわかった。
「だが、困ったな。仕事が手に付かない」
「え?」
「部屋に戻るぞ、ローゼマイン」
「まっ、え..?フェ、フェルディナンド⁉」
そっちは寝室!
ローゼマインは抱きかかえられたまま運ばれていく先が寝室だと気がついて狼狽えた。
うそ、朝だよ?ちょっとフェルディナンド⁉らしくない、らしくないですよ!
と内心大慌てのローゼマインを寝室のベッドに横たわらせたフェルディナンドは自身もベッドへと乗り上げる。
「ローゼマイン、愛している」
「わ、私もです...フェルディナンド」
口付けがふわりと降ってきて、お互いの魔力が少し混じり合う。
なんともふわふわした心地になって、恥ずかしいのに止まらない口付けに思考は真っ白だ。
「すき」
そう口を勝手に出て紡いだ言葉にフェルディナンドは満足そうな顔をして、
ローゼマイン、と愛おしそうに名前を呼んだのだった。
end
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