箱学

□解けない魔法
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すっかり落ち着いた真波が

「ねぇ、やっぱり雪乃さん箱学に来ない?

毎日可愛い雪乃さんといられるの、ずるいですよ」

と、そんなことを言う真波。

「例えば巻島さんとか金城さんに迫られたりとかしてるんじゃないんですか?

雪乃さん可愛いから」

「か、可愛くないよ?

それにそんなこと一度もないし..」

「可愛いです。

俺だけの雪乃さんにしたい」

そう言って、さっきまで飽きるほど口づけをしていたと言うのに、チュっと軽いキスを降らしてくる真波

「ちょ、真波くん?」

止まらないキスの嵐に雪乃は慌てた

「また離れなきゃいけないから、慰めてください」

「ちょ、ん...ぅ...」

「雪乃さん、可愛い」

喋る度に音を立ててキスをする真波。

次第にキスが深くなって

「ふ、ぁ.....」

「またデートしてくださいね、雪乃さん」

合間に囁かれる言葉を聞くので精一杯な雪乃を見つめながら、尚もキスを深くしていく真波

「はぅ....真波、くん...」

「強気な雪乃さんもいいけど..

そうやって俺でいっぱいになってる雪乃さんは可愛い」


おかしいな、真波くんって可愛い系だと思ったのにSだったの?

雪乃が余裕を無くした思考の片隅でそう思った時、

また深い口づけが降ってきて
雪乃は腰に力が入らなくなって真波にもたれかかった

「本当に可愛い。

けど、これ以上は...ダメですね」

残念そうに言う真波の目には、熱が篭っていて、雪乃は自身も熱くなるのがわかった。

「そんな名残惜しそうな可愛い顔、しないでください」

ぽやーっと真波を見つめていれば
また軽い口づけををくれる真波。

「続きはお預けですね」

そういって笑んだ真波に完全にノックアウトされた雪乃は
恥ずかしそうにコクリと頷いたのだった。

「またすぐ連絡します」

そう言って別れ際にもう一度キスを落としていった真波を見送ってから、雪乃も頬の熱を冷まして総北のテントへと戻ったのだった。

真波からの連絡をすでに待っている自分に苦笑しつつ、次に会う時に心臓はもつのだろうかと、ドキドキと鳴り止まない鼓動に雪乃は心配になったのだった。





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