箱学

□一目惚れ
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-2年前-

「次の相手誰にすっかなぁ」

「お前、もうちょっと頑張ればよかったんじゃねぇの?

篠宮さん可愛いのに」

「あ?可愛くてもあんなに身持ち固いんじゃ面白くないだろ?

ただ隣に置いときゃ優越感は味わえるけどよ」

「お前酷いよなー」

「酷いのはお前らもだろ?

俺が付き合えるかどうかとか、キスをいつまでに出来るかとか賭けてるんだから」

「まぁそうだけどよ...」

「それにしてもあいつ、告白をokするのに1ヶ月とか長過ぎてマジ引いたわ」

「しかも付き合って3ヶ月でしたのが手を繋ぐだけって」

そう嘲笑する元カレの言葉を教室の外の廊下で耳にした雪乃はそっとその場を駆け出して、家に帰宅したのだった。

どこをどう通ったのかも覚えていなかった。

ただただショックで、あんなに誠実そうだった彼はただの偽物で、
それを見抜けなかった自身にも腹が立った。

「見る目なさすぎ...
もう、信じられないよ」

雪乃が自分のことも、世のイケメンのことも信じられなくなった瞬間だった。


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「だから、イケメンはきっと裏ではアイツみたいに嘲笑ってるに違いないって。

私を好きになるなんてありえないって、そう思ったの」

話し終えた雪乃が真波を見れば

「俺って、そんなに裏表ありそうに見えます?」

そう問いかけてくる真波。

「わかんないけど...イケメンだから...」

「酷いなぁ、全然そんなことないのに」

そう言った真波は雪乃の前に跪いて

「信じてよ、雪乃さん」

そうそっと雪乃の手を握ったのだった。

「だけど....」

それでも踏み切れない雪乃に

「雪乃さん、どうしたら俺を信じてくれるの?」

苦しそうにいう真波に、雪乃はただただ、わからないと首を振るのだった。


「じゃあこうしましょう。

雪乃さんの気持ちの整理がつくまで、俺、いつまででも待ちます。

だから雪乃さんも俺とのことちゃんと考えてほしい」

どんなに時間が経ってもいいからと言う真波に、雪乃はコクリとひとつ頷いたのだった。

”勇気がないだけなの。
ごめんね、真波くん“

もう真波の事を好きなんだって自分で理解しながらも答えを出せない雪乃はそう心の中で真波に謝るのだった。







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