箱学

□一目惚れ
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中学3年に上がって割とすぐの5月の半ば。

学年でも指折りに入るイケメンが何故か私に告白してきた。

最初は戸惑ったものの、何度も真剣に告白してくれる姿に、okの返事を出したのは1ヶ月後だった。

それから彼の部活の無い日に放課後デートをしたり、お家で勉強したり、それは順調にお付き合いしているはずだった。

夏休み最後のデートで、彼は私の中に傷を残していった。


お話とかでよく聞くベタなシュチュエーションだと思う。

花火が上がってすぐ、男の人が綺麗だなんて言って、恋人たちがキスをする、みたいな、そんなことがまさに私に起こった。

起こったけど、なんだかその時の彼が怖くて、拒否をした。

そう、そうしたら彼がこう言ったのだ。


「何、キスもダメなの?

あーあ、これで俺の負けか...今日で3ヶ月だもんな?」

彼の態度の変化に、私はただ呆然とするだけ。

「じゃ、別れよっか」

そう軽く言った彼の中では、もう私の意思など関係なく終わりなのだと、そう真っ白な頭の中で、それだけははっきりと思った。

私、彼の特別じゃなかったんだ、と。





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