箱学

□東堂
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心理テストver東堂



「あの、東堂先輩」

「なんだね?」

「心理テスト、やりませんか?」

「うむ。面白そうだな、やろう。」

「では質問読みますね〜。

《綺麗なイルミネーションを見ていると、1色だけ消えていることに気が付きました。それは、何色ですか?
1、赤色2、緑色3、黄色4、青色》」


「そうだな、緑!緑だ!」

巻ちゃんの髪の色でもあるな!とかなんとか言いながら、それで答えはなんなのだ?と問うてくる東堂先輩。

「緑ですね〜?
この診断ではどんなタイプの人が好きかわかります。」

「なに?好きなタイプ....」

「そうですよ〜。
結構当たるんですからね!」

そう言うと急に大人しくなる先輩。

「えぇっと、緑色は...
年下で可愛らしい女性、ですって!
先輩、合ってますか?」

そう東堂の方を向いた雪乃は驚いた。

「な、な、なっ.......!」

そこには顔を真っ赤にした東堂がいたのだった。

「東堂先輩?え、もしかして当たりですか?」

当たっているとしか思えないその反応。
しかも、これ好きな子がいる感じだ...。

「東堂先輩、好きな人いたんですね」

そうポツリと呟けば

「あ、あぁ...」

と何か言いたげな東堂先輩。

「東堂先輩?」

「その、雪乃ちゃんは、その答えはなんだったのだ?」

「え?私ですか?」

「頼む、教えてほしい」

「えっと、黄色です」

「答えは..?」

「え、えと..秘密です!」

他に好きな子がいるということがわかったのに答えられない。

「ならん、ならんよそれは」

そう言って東堂先輩はさっと私から心理テストの本を奪っていった。

「黄色は...イケメンな男性....」

そう読んだ東堂先輩はバッと私に向き直って、

「雪乃ちゃん、これはオレのことか⁉そうだな?そうだよな⁉」

あまりの勢いに私は思わず頷いてしまった。

本当はバラすつもりなんてなかったのに...。

「ふふん、そうだろう。
登れる上にトークも切れる!更にこの美形!天はオレに三物を与えた!!
箱根の山神天才クライマー東堂尽八に惚れないわけがないな!」

さっきまでの真っ赤な顔はどうしたことか、絶好調の東堂先輩。

私はきっと逆に顔が真っ赤だと思う。

「そ、それでだな、雪乃ちゃん」

なんだか改まった感じで言う東堂先輩に私も心なしか背筋がピッと伸びた。

「オレも雪乃ちゃんが好きなんだが...

りょ、両想いだと思うのだが、オレと付き合ってはもらえないだろうか?」

そう少し不安そうな東堂先輩。

いつも堂々としてる先輩でもそんな顔するんだ....

それが私のことを想ってなんだから、私の体温が上がるのは必然で、火照る頬のまま

「よろしくお願いします」

そう告げたのだった。










(ただ心理テストで、好きな人の好きなタイプをさぐろうとしただけの話)
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