箱学

□真波
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心理テストver真波



「雪乃さん、心理テストに答えてください!」

練習終わりにそんな声とともに雪乃が振り返れば、何故か真波と箱学3年のエース達が揃っていた。

「皆んなでどうしたの?」

それを聞けば、

「すまんな。
真波が心理テストをクラスの女子から仕入れたらしいんだが、どうしても雪乃にやってほしいらしくてな」

福富がすまなそうに言った。

「ふくちゃんが謝ることじゃないし...
別に心理テストくらい構わないけど」

そう言えば一様に嬉しそうな顔の面々。

あ、ふくちゃんはいつも通りだけど。

「で?どんな問題なの?」

真波に視線を向ければ、待ってましたと言わんばかりのニコニコ顔。

「えっとですね、

《6人掛けのテーブルに異性5人、あなたを含めて6人で座ります。それぞれの異性は、どこに座りますか?
左隣・右隣・左斜め前・右斜め前・真正面にそれぞれ異性を当てはめてください》

なんですけど、僕たちの中でお願いしますね」

そうニコリと言う真波。

「うーん...そうだなぁ。

とりあえず、真正面がふくちゃん。

右斜め前に東堂くん、

左斜め前が荒北くんで、

右隣が新開くん。

で、左隣は真波くんでお願い。」

「わかりました」

「で、真波、結果はどうなのだ?」

「えっとですね、まず、

《この心理テストで、あなたの異性への関心がわかります。

左隣はあなたが今、一番好きな人。

右隣は相手があなたに気があると感じている人。

左斜め前は一番ではないけど、好きではある人。

右斜め前は異性として見れない人。

真正面は恋愛感情はないけど、好きで信用している人。

ですって!」

真波が読み上げた答えに真っ先に反応したのが東堂だった。

「な、なんでこの箱学イチの美形が異性として見られんのだ!?」

「え、えーうん、そうね...
アイドルみたいな感じだから?」

雪乃は正に東堂と付き合うとかそんな風に見れなかったので咄嗟にそう答えれば

「なるほどな!」

と納得する東堂。

ホッとしているのもつかの間、荒北が口を開いた。

「なぁ雪乃チャン。

フクちゃんが真正面で好きで信用している人っていうのはわかるんだけどネ。

なんで一番好きなヤツが不思議チャンなワケ?」

「し、心理テストだからね、
本当のことでは.....」

「嘘だね。
この心理テストあたってんだろ?
雪乃チャァン?」

「もー、荒北先輩。

自分が一番じゃ無かったからって拗ねないでくださいよ」

そう言って詰め寄る荒北と雪乃の間に真波が割って入った。

「だって僕が一番に決まってるじゃないですか?

ね、雪乃先輩?」

そう意味深な真波の発言に場が固まった

「おめさん、それはどういう...」

「アァ⁉まさかオメー抜け駆け...」

「なに⁉真波、真波が雪乃ちゃんと付き合っているのか?」

皆んなの勘違いに慌てて否定する雪乃は言いかけて止まった。

「え、皆んな待って...付き合ってないよ!
ただ、あの.....」

「そう、ただ告白しただけですよ」

だから先輩たち、ちょっかい出さないでくださいね?

と雪乃の言葉を引き継いで、爆弾を落とす真波。

「それから雪乃さんは、早く返事くださいね?」

と、さっきの心理テストで答えを得たはずの真波はニコリと雪乃に笑いかけた。

「ず、ずるい....」

「なんですか?雪乃さん?」

「あぁ、もう..。

好きよ、真波くん」


その言葉に真波は満足そうな顔をして、周りのメンバーは真波に詰め寄るのだった。




(告白するとこから作戦だった真波は、ニコニコ何も考えてなさそうで実は腹黒そうなイメージ)
(皆んな雪乃様が大好き)




end
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