箱学
□真波
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無防備な君
「雪乃先輩、俺だって男なんですよ?」
珍しく二人だけという部室で、真波くんの声が響いた。
「あ、うん?」
「雪乃先輩、無防備すぎませんか?」
体操服から着替えようと体操服を脱ぎ出した雪乃に真波は言った。
「え、でもキャミ着てるし....真波くんだし...」
「だから、俺だって男なんですよ?」
いつものふわっとした彼ではなく、少し真剣な表情にドキッとする。
「うん、ごめん、ね?」
そう謝れば
「もう.....、いいですよ。
早く着替えてくださいね」
と若干呆れ気味の真波くんはぷいっと後ろを向いてしまった。
あれ..何か怒らせちゃったかな?
と思うものの分からなくて、雪乃はこれ以上真波の機嫌を損ねないように慌てて着替えるのだった。
(先輩、気を許してくれてるのか、
男として見られてないのか....複雑だなぁ)
end
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