箱学

□ツンデレ?
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別の日の休み時間。

これはもう恒例と言っても過言ではない。

最近よくある光景が今日も繰り広げられていた。

「東堂さん!それはスキンシップじゃなくてセクハラですっ」

「何を言うか!立派なスキンシップだ!」

そう堂々と言い放った東堂は雪乃に再度抱きついた。

「それから、雪乃。

尽八と呼べと言っておるだろう?」

そう甘く囁く、東堂。

不覚にもドキッとしてしまったのは、自称箱根学園イチの美形というだけはあるその美しさのせい

...だと思いたい。

「と、とにかく離れてくださいっ」

「仕方ない。

雪乃が尽八と呼んでくれたのなら離してやろう」

「うっ....じ、尽八、くん...」

悔しいやら恥ずかしいやらで、顔を真っ赤にして言う雪乃を東堂は満足そうに眺めて

「うむ。約束だからな」

と少し残念そうに、でも名前を呼ばれて嬉しそうな複雑な表情で言って、雪乃をそっと離した。

「それじゃあ失礼しますっ」

雪乃はバッと勢いよく東堂から離れていった。

「なァ東堂。もう少し普通に接したらいいんじゃないのかァー?」

「至って普通だぞ、靖友。」

「イヤ、普通じゃねぇだろォ?
なぁフクちゃん⁉」

必死に訴えてるけど、話を振る人間違えてません?荒北さんと周りにいた人たちは思ったとかなんとか。






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