箱学
□ツンデレ?
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昼休み。
あの目立つ人物がこちらに向かって満面の笑みで手を振っている。
いや、違う、私に向けてでは無いと思いたい。
そう思いたくて雪乃は回れ右をしようとしたが
「雪乃!会えて嬉しいぞ!」
その大きな声にそれは叶わなかった。
「満面の笑みで手を振らないでください!東堂さんっ!」
「何故だ⁉この東堂尽八の笑顔を見てなんとも思わないのか?そんなはずは...」
「お、思いませんっ」
「な、なにっ⁉」
雪乃の言葉にショックを受けた東堂だったが、一瞬で復活して
機嫌良さそうに雪乃を見つめ始めた。
「こ、こっち見ないでください!」
「好きなものを見つめて何が悪いというのだ?
そうだ、それなら雪乃もこのオレを見るといい!目の保養になるぞ」
そんなことを自信満々に言い放つ東堂尽八。
他の奴が言っていたらかなり痛い発言であるが、そこは東堂である。
が、雪乃は盛大にため息をついたのだった。
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