箱学

□荒北
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噂の彼女ちゃん



部活終わりに部室の前で話す靖友と篠宮さん。

噂の彼女は篠宮さんだったのか。

「お、なんだ靖友。

篠宮さんと付き合ってるのか?」

「ば、ばかっ、そんなんじゃねーよ。

てかうっセーよ、新開!」

荒北の照れ隠しなのだが篠宮さんはショックを受けたようで

「え...、ごめん荒北くん...。

私、彼女じゃなかった?」

泣きそうな顔して上目遣いに靖友を見上げる篠宮。

これは可愛い。

そう思ってたのがバレたのか

「ってか新開っ、オメーいつまでいんだよ!」

と吠えられた。

仕方なく退散するが

「おめさん、も少し素直になった方がいいぞ」

「うっセーよ!わかってんだよ。ンなこたァ」

その後も陰から様子を見てればこれは...荒北、お前ってやつは。

「雪乃チャァン、ちょ、ちょっと、近すぎだからァ」

と、涙目の篠宮に慌てる荒北。

「なんつーか、その、悪かったな」

恥ずかしかったんだよって篠宮を抱きしめる荒北。

顔を見られたくなかったらしい。

「荒北くん、照れてるの?」

「照れて悪いかよ。

クソッ、雪乃チャンがカワイイのがわりぃんだよ」

その言葉に篠宮も照れてるようだった。

「あ、荒北くん。

私、荒北くんの彼女、でいいんだよね?」

「一回しか言わねーからなっ。

俺は雪乃チャンがスキだからァ、

彼女は雪乃チャン以外ありえねーの」
わかったァ?と言った荒北と篠宮の顔が急速に近づいて。

俺は様子を伺うのをやめた。

荒北、おめさん結構甘いんだなと、
俺はチームメイトの恋愛事情に少し安心したのだった。








お題提供 確かに恋だった様より
end
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