運命の恋

□9再会と通じる想い
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そうして夜、リズとシリウスは夕食を終えて研究所の暖炉の前にいた。

「荷物多く無いか?」

「だって着替えとか薬作る道具とか...」

「半分は私が持っていこう」

「ありがとう。

ここで住所を言えばいいのよね?」

「ああ」

シリウスが暖炉に入ったところでリズは確認した。

シリウスは返事をするとフルパウダーをふりかけて姿を消した。

「よしっ、行ってきます」

リズは気合いを入れるようにパチンと頬を叩いて暖炉へと入っていった。

緑色の炎に包まれて、リズが次に目を開くと見知らぬ家の中だった。

「ようこそ、ブラック家へ」

先についていたシリウスが肩をすくめて言った。

「お邪魔します?」

リズはどういったらいいのかわからずに小さく呟いた。

「部屋に案内する。

と言っても片付いてないんだがな...」

「ありがとう。

大丈夫、お世話になるからには掃除くらいするから」

苦笑するシリウスにリズは微笑んで言った。

案内された部屋は客間のようだった。

思ったよりも綺麗でリズは首を傾げた。

「シリウス?もしかして屋敷しもべ妖精がいるの?」

「いるだろうな...」

「名前はなんて言うの?」

「クリーチャーだ」

「クリーチャーね。

仲良くなれるかな?」

「...どうだろうな。

少なくとも私のことは嫌っている」

「そうなんだ...」

「けどリズは純血だから邪険にはされないんじゃないか?」

「そっか。

偶には役にたつのね、純血って」

リズは苦笑いで言った。

「荷物の整理したら、朝ご飯用の買い出しに行ってくるね」

「すまないな」

「ううん、お世話になるのは私の方だから。

美味しくできるかは自信ないけどね」

そう微笑んで、リズは荷物の整理に取り掛かるのだった。



それから数日経ったある日の夕方、ブラック家の玄関の戸が開く音がした。

リズとシリウスは杖を構えて玄関へと続く廊下の様子を静かに伺った。

やってくる人影にシリウスは息を吐いて人影に向かって声をかけた。

「リーマスか?」

「え?」

シリウスの声にリズも警戒を少し解いた。

「やあ、シリウス」

廊下の暗闇から姿を現したルーピンは朗らかに挨拶を返したのだった。





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