運命の恋

□7予言の夜と別れ
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「ダンブルドア先生、ご迷惑をおかけします」

「よい。馬車を用意させよう」

それだけで辞めることが伝わったのだろう、ダンブルドアとルーピンの会話は短かった。

そのまま大広間を出ようとすると、ハグリッドがルーピンに問いかけた。

「その、なんだ...先生、昨晩森で何か食べたりは...」

「ハグリッド、昨晩は何も襲っていないよ。

リズが証人だ。」

「リズが?」

「そうよ、ハグリッド。

私はアニメーガスだし、脱狼薬も作れる。

昨晩はずっと一緒にいたのよ。


...ハグリッド、まさか私の両親がやっていたことを知らないわけじゃないでしょう?」

リズは何も不思議なことじゃないと平然と言ってのけた。

「いや、しかしお前さんの両親も...

うん、いや。俺がどうかしちょった。」

うんうんと頷いてハグリッドはホッとしたように去って行った。

大広間を出る時も生徒たちに注目されたがリズにはどうってことなかった。

残りの学生生活中、どんな陰口をたたかれても平気とさえ思っていた。

"何も間違った事はしていないもの。

両親の意思を継ぐためよ"

リズはルーピンの後について、一緒に部屋へと戻った。

何も言わずに片付けを手伝い始めるリズにルーピンも何も言わずに手を動かした。

粗方の片付けが終わったところでルーピンは忍びの地図を開いた。

「ハリーが来るみたいだね」

「リーマス」

「なんだい?」

「私、リーマスのことが好き。

諦めようっていくら思っても気持ちが消えないの...

だから、ちゃんと振られるまで好きでいてもいい?」

ルーピンが何か言いかけたところでノックの音が響いた。

リズはルーピンにさっと近寄って頬にキスをすると、ハリーが待つドアを開けた。

そのまま笑顔で手を振って、部屋を後にしたのだった。

ルーピンがホグワーツを去るのを窓から眺めて、リズは呟いた。

「次に会えたら、リーマスは答えをくれるかな...」







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