運命の恋
□7予言の夜と別れ
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エリーにはルーピンと上手くいかなかったとだけリズは伝えた。
けれど、リズはルーピンを避けることはしなかった。
授業もしっかり受けるし、お茶も飲みにも行った。
ルーピンは二人でいると何か言いたげな顔をしていたが、リズは気がつかないふりをした。
そうでもしないと諦められそうになかったのだ。
リズは傷を癒すように、暇さえあれば禁じられた森へ行き、シリウスと食事をしたり色々なおしゃべりをした。
リズの心境を知ってかしらずか、シリウスはあれ以来リズにキスをしたり、手をつなぐことさえしなかった。
それからイースター休暇に入ると、リズは試験勉強にかかりきりになり、余計なことを考える余裕もなかった。
それから休暇が明けて、グリフィンドールとスリザリンのクィディッチの試合があり、リズにとっては久しぶりに晴れやかな気分になった日だった。
グリフィンドールが優勝杯を獲得したのだ。
グリフィンドール生と共にリズも大いに喜んで、ルーピンの事を思い出すこともなかった。
優勝杯獲得の余韻に浸るのも束の間で、リズはすぐに試験勉強に戻っていた。
その甲斐あってか、リズの試験の出来はかなり良かったと自信を持って言える手応えだった。
試験が終わると、リズは湖のそばの木陰で寝転んだ。
「んーっ!終わったー」
リズは伸びをして、サワサワと流れる風を感じた。
「気持ちいい...」
リズは目を閉じてしばらくの間そうやって寝転んでいた。
「ん...お腹すいたな」
随分長い時間寝転んでいたようで、リズは少し涼しくなった気温に肌をこすりながら大広間を目指して歩き出した。
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