運命の恋

□6離れた距離
1ページ/4ページ

翌日の夕方、目の腫れも治まった頃、リズはそっと厨房まで行って食料をバスケットに詰め込んだ。

誰にも見つからないように森へと向かい、リズはシリウスを呼んだ。

「シリウス...?」

「リズ?どうしたんだ...?」

「どうって?食事を運んできたんだけど...」

「いやお前....まあいい。食べようか」

シリウスは言いかけてやめた。

リズとシリウスは黙って食事をした。

「......」

「......」

「シリウス.....」

「なんだ?」

「リーマスに振られちゃった...」

「は?...勘違いじゃないのか?」

シリウスの言葉にリズは俯いた。

「私に話してみたらどうだ?」

「うん....あのね...」

そう言ってリズはルーピンの部屋に行った時のことを話した。

「リズ、やっぱり勘違いだ。

リーマスはお前を振ってなんかいない」

「でも....」

「リズに好きだと言う勇気が無かったんだろ。」

「でもだって...キスしたのに謝ったんだよ?」

「リーマスはリズがリーマスを好きなの知らないだろう?

好きでもない奴にキスされたら普通嫌だと思うものだ。

だからリーマスは謝ったんだよ」

「そうなの、かな....じゃあ」

「私の言った通り、リーマスもリズのことを好きなはずだ」

シリウスは自信満々に言い切って、バスケットの中のチキンを頬張った。

「きちんとリーマスと話してみるといい。

ちゃんと自分の気持ちも伝えるんだ。いいな?」

「うん...頑張ってみる」

リズは頷いた。

「それから、私の贈ったネックレスは外しておいたほうがいい。

リーマスのをつけろ」

「だけど...シリウスがせっかく用意してくれたものだから...

シリウスに会いに来る時は着けたいと思ったんだけど...」

「それは嬉しいが...リーマスが嫌がるぞ」

「....うん.....」

しょんぼりするリズにシリウスは笑った。

「私にもらったとリーマスに言えるようになったらつけてもいいんじゃないか?」





.
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ