運命の恋

□5微妙な距離とクリスマス
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途中でルーピンの汗でも拭おうと試みたリズだったが、寝ているはずなのにまったく離してくれず諦めざるおえなかった。

"朝までずっとこうしてるのかな.."

ドキドキと高鳴る胸を落ち着かせようとしたがこの状態ではそうもいかなかった。

けれど苦しそうなルーピンの顔を見てリズは自分の無力さが歯痒くなった。

"今、リーマスに出来ることってないのかな..."

リズは腕を伸ばしてルーピンの髪に手を触れた。

そのままさわさわと優しく髪を梳くように撫でれば、ルーピンがそっと目を開いた。

「リズ」

「ご、ごめんなさい...起す気は無かったんだけど」

「いや.....」

慌ててルーピンの髪から手を離そうとしたリズだったが、その手は途中でルーピンに捕まった。

「リ、リーマス?」

リズの片手はルーピンに捕まり、もう片方の手で抱きしめられたままで身動きがとれないリズはルーピンを見つめた。

そんなリズにルーピンは少し躊躇うように口付けた。

「っ.......リーマス?」

リズは混乱気味にルーピンの名を呼んだ。

「すまない...」

そう言ったルーピンはリズをそっと解放した。

「ぇ....?」

リズは悲しさに胸が痛んだ。

"間違いってこと、かな....無かったことにしてってこと?"

リズはルーピンに背を向けて、痛みをやり過ごそうとしたが無理だった。

頬を涙が伝うのがわかった。

リズはばれたくなくて慌ててアニメーガスになると部屋の隅へとうずくまった。

「リズ....?」

ベッドから離れたリズにルーピンが恐々といった感じで声をかけた。

「.....」

リズはアニメーガスのまま黙り込んだ。

「すまなかった....私といるのも嫌だろう?

もう戻ってくれて構わないよ...」

そんな沈んだ声が聞こえて、リズは顔を上げた。

"今のはまるで私がリーマスを嫌いみたいな言い方..."

リズはアニメーガスから人の姿に戻ってベッドに横たわるルーピンに声をかけた。

「リーマス......どうして、どうしてキスしたの?」

リズは震える声で問いかけた。

"誰かの代わりだったら...私の恋、終わっちゃうんだ..."

目をつぶってルーピンの返事を待つリズにルーピンが起き上がる音が聞こえた。

「リズ、私は.....」

言葉に詰まるルーピンにリズはやっぱり代わりだったんだと落ち込んだ気持ちのまま言葉を紡いだ。

「私...誰かの代わりでも嬉しかったです。

先生困りますもんね、無かったことにしましょう?」

リズはそれだけ早口で言い切って、ルーピンの言葉も聞かずに部屋を飛び出した。

リズは走ってグリフィンドール寮のそばまで来ると涙を流した。

「私の恋...終わっちゃった....」

誰にも会わずに部屋に戻ると、リズはずっとベッドで泣き明かしたのだった。





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