運命の恋
□5微妙な距離とクリスマス
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土曜日、グリフィンドールとハッフルパフのクィディッチの試合があった。
勉強漬けで過ごしてきたリズだが、グリフィンドールの応援を欠かしたことはなかった。
フレッドとジョージがチームに入ってからは特にだ。
何せ行かないと二人がうるさいのだ。
「でも...ちょっとこの天気は....」
リズは窓の外を見て難しい顔をした。
リズはため息をついて試合を見に行く準備を始めた。
外に出るとものすごい嵐で、リズは競技場に行くのに苦労した。
会話で紛らわそうにも、いつも一緒に行くエリーは例のデートの相手と試合を見るのだと言ってリズより先に外へ出て行った為に一人きりだった。
何とか競技場について席に座るものの、上空は見えそうもなかった。
「もっと上に座った方が見えるかな...」
けれど上の席は風も強そうで危険だなとリズは諦めた。
試合が始まっても、やはりよく見えない。
グリフィンドールが勝っているのはわかったが、誰がどこにいるのかリズにはさっぱりわからなかった。
一度タイムアウトがあってしばらくした頃に事件は起こった。
妙な静けさと気温の低下。
リズが目線を下げると数百ものディメンターが競技場の下に集まってきていたのだ。
「こんなにたくさん...」
リズは慌てて客席の下の方まで行き、パトローナスを呼び出した。
「エクスペクトパトローナス!」
リズの力では到底この数のディメンターを追い払うのは難しかった。
客席に来ないようにするのが手一杯で、リズは悔しいと思った。
そのすぐ後にダンブルドアがピッチに降りてきて全部のディメンターを追い払った。
リズはそれを見て、ガックリと膝をついた。
「よかった...」
リズは安堵からしばらく動けずにしゃがみ込んでいた。
徐々に周りはホグワーツに戻って行く中、リズはようやく立ち上がって、自身もホグワーツへ戻る為にゆっくりち歩き始めた。
自室へと戻り、リズはびしょ濡れのローブや制服を脱ぎ始めた。
「シャワー浴びた方がいいかな...」
少し寒気を覚えてリズは手早く替えの服に袖を通した。
しっかりと髪の毛を乾かしたものの、リズは寒気が引かなかった。
「あー、これは風邪ひいちゃったかも...」
リズは急いでベッドに潜り込んだ。
翌日目覚めると、リズは身体の気だるさにため息をついた。
「風邪、ひいちゃったか...」
リズは気だるい身体を引きずっで医務室を目指した。
医務室へ着くと、一つのベッドの周りに生徒が群がっていた。
マダム・ポンフリーはすぐにリズに気がついて熱を測るようにと促した。
「あら、すごく高いわね。
少し休んでいなさい」
そう言ってリズをベッドに寝かせると、マダム・ポンフリーは薬を取りに奥へと姿を消した。
聞こえてくる声から、ベッドに寝ているのがハリーだと気がつくリズだったが、自身の状態がひどく声をかける事が出来なかった。
しばらくすると、マダム・ポンフリーが解熱剤を持ってやってきた。
「ミス・クロフォード、まずは熱を下げますからね。
明日になったら元気爆発薬を飲んでもらいます」
そう言って解熱剤を飲み、リズはベッドで眠りへと落ちていくのだった。
リズが目覚めるともう夕方で、マダム・ポンフリーが気がついて熱を測りにきた。
「具合はどうですか?」
「だいぶいいです。」
「夕飯は食べれるかしら?」
「少しなら」
その答えに頷いて、マダム・ポンフリーは食事を用意するように調理場のしもべ妖精に連絡をしたようだった。
「熱はいいようね。
明日も夕方までは入院ですからね」
そう念を押して、マダム・ポンフリーは事務所の方へと引き上げて行った。
少しするとベッドに備え付けられているテーブルに食事が現れた。
リズはいただきますを言って、ゆっくりと食べ始めた。
「おいしい」
昨晩から何も食べていなかったので身体に染み渡るようだった。
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