運命の恋

□2過去のこと
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そんなことを思っていると、リズが不思議そうにルーピンに声をかけた。

「先生?えっと、行きましょう?」

「ああ、すまない。

少し考え事をしていたんだ。行こうか」

そう言って歩き出す二人だが、会話は無かった。

リズもさっきみたいに自分のことを話そうとはしなかった。

ただ大事そうにゴブレットを抱えているリズを見て、ルーピンはおもわず口を開いた。

「リズはスネイプ先生と仲がいいのかい?」

「えっ?スネイプ先生、ですか?」

リズは突然の質問に首を傾げた。

「仲がいいかはわからないですけど...色々教えてもらってます。

私がやりたいことには、魔法薬学の知識ががとても必要だから。」

「そうか。

どうもリズの事を気に入っているようだったから仲がいいのかと思ったんだけどね」

「そう、ですか?

成績には自信がありますけど...それでもよく怒られますよ?

気に入られてるっていうのはスリザリンのドラコ・マルフォイみたいな生徒を言うんじゃないですか?」

リズは首を傾げた。

「あぁ、マルフォイ家の...

まぁ確かにああいうのも気に入られてると言うかもしれないね。

多分、学生時代に付き合いがあったせいもあるだろうけどね」

ルーピンの言葉に、リズはさらに首を傾げた。

「ところでリズは勉強に随分熱心みたいだけどどうしてなんだい?」

「それは...どうしてもやりとげたいことがあるからですけど」

リズは言葉を濁した。

「それは何なのか聞いても構わないかな?」

「.....先生は、私の両親がしていたことをご存知ですか?」

「それは.......

多分知っているよ」

「そう、ですか。

じゃあそういう事です。」

リズはそう微笑んでぺこりと頭を下げた。

「送って下さってありがとうございました。

おやすみなさい、ルーピン先生」

「あ、あぁ。おやすみ」

戸惑うルーピンを残して、リズはグリフィンドールの談話室へと駆け込んだのだった。


談話室へと駆け込んだリズは大きく息を吐いた。

「やっぱり知っていたんだ....」

別に知っていたからどうという事はないけれど、あの最初の微妙な反応はあまり両親の研究をよく思っていないのではないかとリズに思わせた。

「嫌われたりしたくないのにな....」

リズは少し泣きそうになりながら部屋へと続く階段を上って行った。

部屋に着くと、リズは睡眠薬を少し飲みベッドへと寝転んだ。

すぐに睡魔はやってきて、リズは深い眠りへと落ちていったのだった。





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