運命の恋

□2過去のこと
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夕飯を食べて、部屋に戻ればリズはエリーから質問攻めにあった。

「それで誰なの?」

「それが.......

ルーピン先生なの」

「ええっ!?先生なの!?」

エリーは本当に驚いたと言うような顔で言った。

「それで?何がきっかけなの?」

「えっと...私もよくわからないの。

ホグワーツ特急で私が名乗ったら、なんかこう変な反応されて。

最初はそれが気になってたんだけど...

考えるのやめたら先生の顔が頭から離れないし..,.」

考え込むリズに、エリーはニコニコして言った。

「それ、一目惚れっていうんじゃない?」

「一目惚れ?」

「そうよー、絶対!

でもリズが一目惚れかぁ。

意外だなぁ」

エリーはへーとかふーんとか言いながら、何やら一人で納得したようだった。

「で、どうするの?」

「どうって...?」

「そりゃあ先生に告白するとか仲良くなるとか、そういうことよ?

まさか何にもしない気?」

ありえないという顔でエリーはリズに詰め寄った。

「え、だって先生だし...相手にされないよ」

「そんなことないって!

そりゃあ学生のうちは付き合ってもらえないかもだけど。

でもでも、リズくらい美人で性格もいいときたら先生だって落ちるわ!」

「そ、そんなことないと思うけど...」

「いいえー!絶対大丈夫!」

本人よりも自信満々に言い切るエリーにリズは思わず笑った。

「なんでエリーが自信満々なの」

「そりゃあ一番の親友ですから?

リズがとーっても良い子だって知ってるからよ!」

「エリー、ありがとう。」

そう言って微笑めば、エリーは

「さぁ、作戦会議よ!」

とやる気満々で夜中近くまで付き合わされたのだった。

エリーが眠りについた後、リズは一人眠れずにいた。

時たまあるのだ。

眠れないでいると、どうしても過去のことを思い出してしまう。

リズはこういう日が好きではなかった。

悔しくて悲しくて仕方なくなる。

寂しくて誰かに抱きしめて欲しくなる。

大丈夫だと、一人じゃないと。

「両親もいないし恋人もいないのに無理な話だけど...」

そう呟いて、ふと思い浮かんだのはダンブルドア先生とルーピン先生だった。

「あぁ、ダンブルドア先生にお話聞いてもらおうかな...」

両親が亡くなった後に面倒を見てくれたダンブルドアなら過去の話も存分にできる。

第二の父親のような存在だ。

だけどとリズは思い止まった。

「こんな歳になって甘えられないか...

ダンブルドア先生はお忙しいし...」

それならともう一人思い浮かんだルーピン先生はとリズは考えた。

「ダメ....まずこんな夜中に会いに行く勇気はないもの....」

そう呟いて、リズは一人過去のことを思い出し始めた。









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