一途な恋を黒犬と

□12タイムターナー
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城の入り口でセブルスとファッジ、ダンブルドアが待っていた。

どうやら探しに出ようとしていたところだったようだ。

「おお、マリア、無事であったか」

「ダンブルドア先生....なんとか」

「して、何があったのかね?」

「ディメンターです。

シリウス・ブラックを庇ったためか、ハリーにキスをしようとしていました」

その言葉にファッジは驚いたようだった

「なんと....前代未聞だ。

なんの罪もない年若い魔法使いにキスを!?」

「ハリーとミス・グレンジャーを医務室に。

マリアも行くがよい。

ブラックは....塔の一番上へ頼む。セブルス。」

ダンブルドアの言葉にマリアは悲痛な面持ちでダンブルドアを見た。

「セブルスから聞いたがのう。

証拠が無ければ止められんのじゃ...
とにかく医務室で待っているがよい」

ダンブルドアはこっそりとマリアに言った。

マリアはハリーとハーマイオニーを連れて医務室へ向かった。

医務室には既にロンがベッドに横になっており、マダム・ポンフリーの治療を受けていた。

二人をベッドに寝かせ、マリアもベッドに腰掛けて、マダム・ポンフリーから受け取った大きなチョコを齧った。

しばらくすると、セブルスとファッジが戻ってきて医務室の前で話し始めた。

「セブルス、さっきの話は確かかね?

あのピーター・ペティグリューが生きていたと?」

「ええ、閣下。この目で見ました。」

「ふむ、そうなるとシリウス・ブラックは無実だと?」

「残念ながらその可能性は高いですな。

それよりもポッター達ですが。

彼らの特別扱いは、本人達のためにならないのでは?

校則の全てに違反し、ポッターを守るための警戒措置をとっていたにも関わらずシリウス・ブラックを捕まえようと自ら危険に近づいた。

普通の生徒であれば停学でしょうな?」

「まあまあ、いずれそのうち...

確かに愚かであったが....

ブラックが無実かもしれんのだろう?

にわかには信じがたいが。

....いやしかし奴らには証拠が無ければ...」

「脱獄は事実ですので、裁判までは拘留されるのでしょうな?」

「それはそうだが...スネイプ、既にキスの執行は許可されておる。

証拠が無ければディメンターを止められん。

裁判も何も執行されてはお終いだ
...」

「それはそうでしょうな」

セブルスはそれでも構わないと思っているんだろう。

そう思ってマリアは焦った。

セブルスはシリウスを憎んでいる。

だから後々ピーターを捕まえて仇を取れればシリウスの事などどうだっていいと考えているにちがいない。

マリアはチョコを全部平らげて横のベッドに寝ているハーマイオニーとハリーの方を見た。

どうやら起きているようだ。

「マダム・ポンフリー、ハーマイオニーとハリーにもチョコを」

「おや、目が覚めたんですか!」

マダム・ポンフリーは二人にチョコを渡すために、チョコを小さく砕き始めた。

「二人ともここに入院です。

ああ、ミス・シュルツ、あなたもですよ」

「私は平気ですよ」

「いいえダメです!」

マダム・ポンフリーにぴしゃりと言われ、マリアはおとなしく頷いた。








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