一途な恋を黒犬と

□9クリスマスと消えたあいつ
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翌日、マリアはハグリッドの元に裁判の手紙が届いた事を知った。

バックビークの裁判だ。

「あの子を処刑だなんてありえない!
私、証人にならなくちゃ」

そうハグリッドの元に慌てて向かったマリアは、ハグリッドからハリーたちが弁護の為に資料を集めている事を知った。

「ハリーにはいい気分転換ね。

それに明後日はクリスマスだし」

そうマリアはハグリッドのところから城に戻りつつ呟いた。

「楽しみだね、スナッフルズ」

ファイアボルトを見たハリーがどういう反応をするのかマリアもシリウスも楽しみだった。

"お礼をもし言いにくれば、話も出来るし"

とマリアはクリスマスを心待ちにした。



クリスマス当日の朝、マリアはシリウスからプレゼントをもらった。

「どうやったの?」

驚くマリアに、シリウスは

「クルックシャンクスに注文書を出すように頼んだ」

そう言った。

「ピーターの事も頼んでる」

そう何でもないという風に言うシリウスにマリアは驚きを隠せなかった。

「あの子賢いのね。さすがハーマイオニーのペット」

「ほら、開けてみろよ」

「うん!」

シリウスに促されて箱を開けると、そこには星をかたどったネックレスが入っていた。

「うわぁ...!すごく綺麗!」

マリアは色々な角度からネックレスを見つめて、嬉しそうにはしゃいだ。

「シリウス、ありがとう!
つけてもいい?」

「ああ。ほら、貸せよ」

そう言ってシリウスはマリアからネックレスを受け取って、マリアの後ろに回り、ネックレスをそっとつけた。

マリアは嬉しそうにニコニコとシリウスを振り返った。

「ありがとう。大事にするね!」

バッとシリウスに抱きついてマリアは言った。

それから、シリウスにもプレゼントと言って包みを差し出した。

シリウスが包みを開ければ、そこには杖が入っていた。

「ないと不便だと思って。
オリバンダーさんにお願いしたの」

「よく売ってくれたな」

「うん、とりあえず私を選んでくれる杖を買ってきたんだけど...

私がシリウスに譲ると言ったら、ちゃんと忠誠心は変わるかしら...」

「どうだろうな。」

そう言ってシリウスが試しに杖を振れば、難なく呪文も使えるようだった。

「よかった!いい子だね、この杖。

シリウスを守ってね」

そうマリアが杖に囁いた。

マリアには杖がわかったと言っているようで、マリアニコリと微笑んだ。

「さ、シリウス。朝ごはん食べに行きましょう」

マリアは機嫌よく広間に降りて行ったのだった。
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