一途な恋を黒犬と

□8ホグズミードと間違った噂
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学期終了2週間ほど前、クリスマスムードが漂う中、学期最後のホグズミード行きが発表された。

ホグズミード行きの当日、マリアは部屋でシリウスに尋ねた。

「シリウス、一緒に行かない?」

シリウスは少々浮かない顔だ。

「やっぱりディメンターの横を通りたくない?」

「そうだな...」

「そっか。じゃあ私も残ろうかな。
別行動はダメだしね」

そこまで言って、マリアはふと思い出した。

「ねぇ、シリウス。

ホグズミードへの抜け道あったよね?」

そう言ってマリアは作ってもらった忍びの地図を広げた。

「これだな」

シリウスは抜け道の場所を指差した。

「よし、じゃあ私は正面から行くから、お店のとこで合流しよう?」

そう言って、地図をしまおうとすればハリーとフレッドとジョージが玄関ホールのところにいるのが見えた。

「悪戯完了!」

"まさかね?"

そう思うものの気になったマリアは玄関ホールへと急いだ。

「さぁシリウス!スナッフルズになって!

今の悪戯仕掛け人が持ってるかも!」

「何をだ?」

そう一言呟いて、黒犬に変身するのだった。

マリアとスナッフルズが玄関ホールへ行くと、隅の方で何やらやっている3人が見えた。

悪戯仕掛け人達に恩を受けたと敬いの言葉が聞こえたところで、マリアはさっと3人の前に姿を現した。

「おっとマリア先生、どうかされましたか?」

フレッドが忍びの地図を隠し、その隙にジョージが"悪戯完了"と呟いたのが聞こえた。

「あら、残念ね。フレッド、ジョージ。

慌てて消してもも無駄よ?」

マリアはニヤリと笑った。

その後ろでスナッフルズも成る程と思っていた。

「まさか!」

「マリア先生はこれがなんなのか...」

マリアは頷く

「おい、兄弟よ。

ご存知のようだぞ、どうする?」

フレッドはジョージを見た。

「大丈夫よ。没収したりしないから」

マリアはクスクス笑った。

「なんと話のわかる」

「さすが我らが女神!」

「それじゃあハリー君よ」

「行動を慎んでくれたまえ」

「ハニーデュークスで会おう」

そう最後にジョージが言って、二人は満足げにニヤリと笑いながらホグズミードへ行く列へと紛れていったい。


「さてと、ハリー」

「あの..僕」

「あぁ、大丈夫大丈夫。」

マリアは不安そうにしているハリーに微笑んだ。

「行くんでしょう?ホグズミード」

「え...いいんですか?」

「あら、いいんじゃない?

クリスマス前だし。

皆あなたが狙われてると思って行かせないけど、私はそう思ってないから。

許可証にサインしたっていいし」

ハリーはびっくりした顔でマリアを見つめていた。

「けど一つだけお願い。

スナッフルズも一緒に連れてって。

お店の前で合流しましょう?」

"透明マント使ってお店から出してあげてほしいの"

そういうマリアにハリーは首を傾げた。

「普通に玄関から出ればいいんじゃ...」

「あぁ、ディメンターがね、嫌いみたいなの」

そうマリアは適当に誤魔化して、

"忍びの地図の通りに行けば大丈夫よ"

とひらりと手を振って、
マリア自身は玄関から出て行くのだった。

「あっ、マリア先生!

.......仕方ない、行こうか」

そうハリーはスナッフルズに声をかけた。






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