一途な恋を黒犬と
□6問題を起こした黒犬
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「さてごめんね、授業の時間が短くなっちゃったね。」
「マリア先生、人狼をやるんですか?」
「いいえ、ハーマイオニー。
次はヒンキーパンクだって言われてるのでヒンキーパンクをやろうと思うけど....。
皆が人狼のことが気になるなら少し話しましょうか?」
マリアはクラス中を見渡した。
「じゃあ授業でやらなそうな話を一つさせてね。
彼ら人狼は、満月の夜に狼の姿に変身してしまうの。
自我を保てなくなって、友達や家族を傷つけてしまう場合もある。
彼らはなりたくて人狼になったわけではないから、人狼ということを受け入れられない場合、とても苦しんで生きる事になるわ。
もちろん受け入れたとしても生きにくい世の中なんだけれど....。
人狼というだけで職に就けないことや突然の解雇もよくあるそうよ。
今は薬も開発されていて、昔よりは満月の日でも自分を保てるようになったから、以前よりは大分マシになったと言えるのかな。
彼らが危険か危険じゃないかは個人によるけれど....
人狼だからとむやみやたらに避けたりしないでほしいなというのが私の考えよ。」
マリアはクラス中を見渡してこう付け足した。
「人狼に限らず、相手の中身をしっかり理解してからどうするか考えるのが大事。
人狼のように差別で苦しんでいる人たちは沢山いるからね。
皆には偏見で物を見るような人にはなって欲しくないと私は思ってます」
それじゃあ、ヒンキーパンクには入りますとそう言ってマリアは授業を進めたのだった。
「それじゃあ今日はここまで。
今日できなかった部分もしっかり読んで、ヒンキーパンクについてのレポートを書いて来週までに提出してね。
提出はルーピン先生で大丈夫です。
皆、お疲れ様!」
そうクラス中に声をかけてから、マリアはロンを呼んだ。
「ロン」
「罰則....なんですか?」
「そうね、セブルスに納得してもらわないといけないから....。
医務室のおまるを磨いて貰えるかしら?
セブルスには魔法なしでって伝えるわ。
実際は魔法を使って構わないけど、一つだけ魔法なしで磨いてもらえる?」
「わかりました...」
「ごめんね、頑張ってね」
マリアはとぼとぼとハリー達の元へ歩いていくロンの背中に声をかけた。
マリアは生徒達からの質問に少し答えてから、リーマスの部屋へ向かった。
途中で調理場によって用意したホットチョコレートを持って。
「リーマス、大丈夫?」
「ああマリアかい?
さっき薬も飲んだし少し気分はいいよ」
「そう?ならいいんだけど...
そうだホットチョコレート持ってきたよ。」
マリアはリーマスにホットチョコレートを手渡して近くの椅子に座った。
「授業の報告しても大丈夫?
それとも書面にまとめとこうか?」
「大丈夫、聞くよ」
そういうリーマスに手短に報告をして、何かあれば呼ぶように伝えて、マリアはリーマスの部屋を後にしたのだった。
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