一途な恋を黒犬と

□4再会と新しい授業
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翌朝、シリウスは犬の姿となってマリアと共にホグズミードに降り立った。

「....」

「....」

無言で、それでいて周りに神経を集中させて叫びの屋敷へと歩を進める二人。

屋敷の敷地の前まで来るとマリアは消去魔法をかけながら屋敷へと向かった。

痕跡を残さないようにして着いた屋敷に二人はするりと入り込んだ。

マリアは使用する部屋の掃除を魔法でさっと行い、シリウスのしばらくの食料と着替えなどを棚に仕舞った。

振り向くとシリウスはヒトの姿に戻っていた。

「シリウス...」

「マリア、大丈夫だ」

「ホグワーツの様子を見て、時々来るから。」
「あぁ」

「それと、これ頼まれてたものよ」

そう言ってマリアがシリウスに渡したのは両面鏡だった。

「よく持ってこれたな。クリーチャーがいただろう?」

「うん、でもなんか私のこと知ってたし無下にされたりしなかったけど...純血じゃないのにね」

そこでふとマリアは思い出した。
レギュラスブラックの事を。

「もしかしてレギュラスかも...」

「なんであいつが出てくるんだ?」

急に出た弟の名前にシリウスは訝しげな顔をした。

「シリウスが卒業した後、薬草の温室で会ったの。
私は許可を得て実習用の薬草を採取してたんだけどね。」

「そこで会ったのか?」

「うん。そこにレギュラスが来たの。なんかすごく焦ってたからどうしたのか聞いたら、屋敷しもべ妖精が毒で瀕死だって言ってた」

「あいつはクリーチャーを可愛がってたからな」

「それでね、なんの毒かわからなかったんだけど、リーマスに教えてもらった解毒剤を思い出して作ってあげたの。
効くかわからないけどって。」

「その後、お礼を言われたから無事だったんだと思うけど...

その後割とすぐにレギュラスはいなくなってしまって交流もなかったし...

すっかり忘れてたんだけど。

薬を作ったのが私だって伝えてたのかもしれないね」

「そう、か...」

「でも、お陰で邪魔されずに見つけられたしよかった。これで連絡できるものね。」

「あぁ。何かあったらすぐに連絡しろよ?」

「うん。シリウスもね。」

そうしてマリアは名残惜しげにぎゅっとシリウスに抱きついて

「絶対無実を証明するから。

シリウス、大好き」

そう言ってパッと離れ、暴れ柳へと続く抜け道を通り、マリアはホグワーツへと向かうのだった。





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