一途な恋を黒犬と

□2過去
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それから15年色々なことがあった。

マリアはここ2年、昔の事を思い出す事が多くなっていた。

一昨年にジェームズとリリーの息子のハリー・ポッターがホグワーツに入学してきたからだ。

彼はジェームズに生き写しで、目はリリーにそっくりだった。
否応なく昔の楽しかった時間を思い出してしまう。

それはセブルスも同じだろうなとマリアは苦笑した。
彼はリリー・エバンズが好きだったのだ。




悪戯仕掛け人と呼ばれていたジェームズ、シリウス、リーマス、ピーターの4人。そしてジェームズの想い人であるリリー。

彼らと過ごすようになってしばらくしてから、マリアはセブルスと会話する機会があったのだ。

観察力は割と鋭いと自負しているマリアはセブルスがリリーを好きなことに気づいていた。
だから

「いじめの原因はリリーだったんですね」
そう唐突にセブルスに言い放ったのだった。

「!」
「何かお手伝いできることがあったら言ってくださいね。
人の気持ちを動かすのは無理ですけど」

すでにリリーの気持ちがジェームズに向き始めてるのも気づいていたマリアは驚いているセブルスにそう言った。

「ではエバンズにこれを」

立ち直ったセブルスはそう言って手紙をマリアに差し出したのだった。

せめて二人の関係が変わらずに続く事を祈って、マリアは手紙を預かったのだった。
結局その願いは叶わなかったのだけれど...。





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