巻島

□巻島ss
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心理テストver巻島



「ね、巻島」

「なんだ?」

「心理テスト、やらない?」

「雪乃にしては珍しいな。
そういうの嫌い、じゃなかったか?」

「嫌いってわけじゃないよ?
でも私にこういうのは似合わないなーって思ってるだけ」

「ハ?似合わねぇって、んなことないだろ」

「え?こんな女の子ーって感じの可愛いいやつだよ?」

「いや、だってオマエ女子だし、まぁ、カワイイっショ」

そう当たり前に言う巻島に雪乃は赤面した。

「と、とにかく質問いくよ!」

「お、おぅ」

「《青・紫・ピンク、この中で私に似合う色はどれだと思いますか?》」

「アー....その中なら、
断然青っショ」

「青、ね」

答えの欄を覗いて雪乃は固まった。

「んで、答えはなんだ?」

「青は......ひ、秘密!」

「ハァ?そりゃないっショ?
気になって眠れないだろ」

「だ、だって........」

「言えよ、雪乃」

よほど気になるのか、本を覗こうとしているようで、いつもより距離の近い巻島。
本人は気づいているのだろうか。

巻島の視線が答えを言えと言っている。

「.......わ、私をどういう風に思ってるかわかるの」

「で、オレは雪乃をどう思ってるって出てるっショ?」

「............、

彼はあなたを恋人候補として認識しています!」

言い切って俯けば、反応のない巻島。

あれ?と顔を上げれば

真っ赤な顔の巻島がいて

「え。」

「マジかよ...」

「うそ、当たってる..の?」

「.....ショ」

気まずげに言った巻島も、私もボンっと音がなるんじゃないかというくらいに顔を真っ赤にしたのだった。


その後、

「ちーっす!」

と一年生達が入ってきて

「お二人とも何しとるんですか?」

と鳴子に突っ込まれてから二人は慌てて練習の準備を始めたのだった。



練習中
「巻島さん!あの、さ、さっきは邪魔してしまってすみません!」

と顔を真っ赤にしながら小野田が言うものだから、巻島は顔を赤くして

「き、気にするなヨ」

と言ってから、我慢できずに全力で走り去ったのだった。

残された小野田は、
巻島先輩と篠宮先輩、お似合いだなぁと一人ホクホクするのだった。



全力で帰ってきた巻島にタオルを渡す雪乃も受け取る巻島も少しぎこちない。
巻島は空気に耐えきれなくなったのか口を開いて

「雪乃、好き、っショ。
付き合ってくれ」

そう告げた。

巻島の言葉に、雪乃は恥ずかしそうに

「嬉しい、ありがと」

そう言ってふんわりと微笑んだ。







end
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