黒執事
□その執事、粋狂
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「”医学・解剖学に精通する者”、”事件前夜アリバイのない者”
そして”秘密結社や黒魔術に関わりがある者”
この条件を満たしているのはただ一人。
ドルイット子爵、アレイスト・チェンバー様だけです」
そうセバスチャンは告げた。
「医大は卒業していますが病院への勤務や開業はしていません。
シーズンには何度か自宅でパーティを催しています…が、
どうやら裏では彼と親しい者だけが参加できる
秘密パーティが催されているという話です」
そうセバスチャンは付け足した。
セバスチャンの言葉にマダム・レッドは
「ドルイット子爵か…
そういえば黒魔術みたいのにハマってるって噂は聞いたことあるわね」
と言った。
「つまりその”裏パーティ”で儀式的なことが行われていて
娼婦たちが供物にされてる疑いがあるってことか」
そうカップを手に持ったまま劉は言った。
「ええ。
本日も19時よりドルイット子爵邸でパーティが行われます。
シーズンも終わりますし、潜り込めるチャンスは今夜が最後と思っていいでしょう。」
そうセバスチャンが言えば
「マダム・レッド、”そういうわけだ”なんとかなるか?」
そうシエルがマダム・レッドに問いかけた。
「舐めないでくれるかしら?私結構モテるのよ。
招待の一つや二つどうにでもしてあげるわ」
「きまりだな。なんとしてもその”裏パーティ”に潜り込むんだ。
ファントムハイヴの名は一切出さないこと。
取り逃がすことになりかねん…チャンスは一度きりだ!」
そうしてパーティに参加するための準備が大急ぎで進められるのだった。