黒執事

□その執事、始動
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「坊ちゃん、本日もお手紙が届いておりますよ」
そう言いつつシエルの前に手紙の束を置いた。
「もうシーズンも終わるというのに暇人どもめ。
くだらない舞踏会に夜遊び相手探し…ロンドンはロクなことがない」
そううんざりしきった顔でシエルは言った。
リーナはセバスチャンの横でうんうんとシエルに同意した。
「ワーウィック伯爵、バース男爵、ガートランド伯爵夫人…」
そう宛名を読み上げながら、シエルはポイポイと手紙を投げ捨てていく。
捨てられた手紙の送り主を、お断りリストに書くセバスチャンの横で、
リーナは捨てられた手紙を拾い集めた。
「これは…」
とシエルが呟いて一通の手紙を見つめた。
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