運命の恋

□4満月の夜と出会い
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リズはシリウスと出会ってから数時間、長い昔話を聞いた。

シリウスにルーピン先生、ハリーのお父さんのジェームズさんにピーター・ペティグリューの四人の学生時代の話から、事件のときのこと、全てを聞いた。

「私の言ったことを信じられるか?」

シリウスの問いかけにリズは頷いた。

「ピーター・ペティグリューを捕まえたくて、太ったレディーをズタズタにしたんですね」

リズは先日の事件の時の疑問が解決されたとスッキリした顔で言った。

「私、不思議だったんです。

だって記事で言われているような残虐非道な人なら、生徒でも脅して開けさせればよかったと思うんです。

だって卒業生なら合言葉が必要なことぐらい知ってるんですもん」

リズの言葉にシリウスは目を細めた。

「リズは物事を見る目に長けているんだな」

「そうですか?

両親は幼い私にも言ってました。

人を見かけや噂で判断しちゃいけないって。

きっと両親のおかげですね」

「リズの両親は元気か?」

シリウスの問いにリズは寂しそうに笑った。

「シリウスは知らないですよね。

ちょうどアズカバンに入ってからのことだから。

クロフォード家はもう私だけなんです」

「すまない。

けど...一体どうして」

「人狼になりたての人が連れてこられて、

それで最初の変身の時にものすごい暴れようだったんです。

それで....」


「そうだったのか...

実は、リズの両親には世話になったんだ。」

「私の両親と面識があったんですね。

不思議なことではないですけど」

「実は....。リズとの婚約を申し込んで了承してもらっていたんだ。

もちろん今ぐらいの時期まで待つという条件で」

「え?」

リズは驚いた。

「知っての通り、私は純血主義が嫌でたまらなかった。

だが私の親は純血の家系の娘と婚約をするようにと縁談を次から次に持ち込んできていたんだ。

嫌気のさしていた私は、純血の家系なのに純血主義でないというクロフォード家に目をつけた。」

シリウスは続けた。

「それでリズの両親に頼み込みに行ったんだ。

そうしたら案外あっさり受け入れてもらえて、親もクロフォード家なら資産があるからと渋々認めた。」

「じゃあ縁談に煩わされることが無くなったんですね」

「ああ。だがその後に私がこんなことになってしまった。

だからきっとリズの両親はリズに言わなかったんだろうな」

リズは首を横に振った。

「それは違うと思います。

多分、婚約者なんて話をするには早いって、純粋にそれだけだったと思います。

両親は自分の目で見て聞いて確認したことしか信じない人達でした。

本に書いてあることすら再度試してみるんだから....」

リズは幼少時の記憶をたどって言った。

「だから多分新聞記事も、情報としてはあっても信じていたかどうかはわかりませんよ」

リズは微笑んだ。

そんなリズを見て、シリウスは言った。

「リズ、もし私の無実が証明されたとしたら、私と家族にならないか?」

シリウスの言葉にリズは頬を染めた。

「あ...私....」

「好きなやつでもいるのか?」

シリウスの問いかけにリズはこくりと頷いた。

「そうか...なら仕方ないな。」

シリウスは残念そうに微笑んだ。

リズは少しいたたまれなかった。

何せシリウスの友だったルーピン先生を好きなのだから。

「リズの恋を応援しよう。

相手はどんな男なんだ?」

シリウスがこの話題を続けることにリズは慌てた。

「あ、えっとその.....」

その慌てように、シリウスは言った。

「リズはリーマスが好きなのか?」

リズの反応を見て確信したシリウスは苦笑した。

「それでさっき変だったんだな。」

「ごめん、なさい」

「謝ることなんかないだろ。

リーマスなら諦めもつくさ。」

シリウスは笑って、

「それならリーマスのことを色々教えてやろう」

そう言うのだった。






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